全デザイナー要注目!美しいデザインの構図を決める10個の黄金ルールまとめ

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海外デザインブログCanva Design School Blogで公開された「10 Rules of Composition All Designers Live By – Canva Design School」より許可をもらい、日本語抄訳しています。

 

どんなに美しいグラフィックデザインを利用したとしても、構図(英: Composition)が不十分だと、デザインの良さは消えてしまいます。

 

デザインの構成、組み立てはとても重要といえるでしょう。では、「構図(英: Composition)」とは一体なにを意味しているのでしょう。簡単にまとめると、各部分を集めて、または各部分が集まって全体を組み立てることを指します。デザインにおいては、利用しているフォント書体や画像イメージ、グラフィックデザイン、配色などを集めることで、まとまりのあるデザインを作成することを指します。

 

 

アレンジ、配置や揃えなどの編集をおこない、うまく構成することで見た目が良いだけでなく、とても機能的で効果的なデザインに仕上げることができます。今回は構図をマスターする、いくつかの秘訣やコツ、デザインテクニックを見ていきましょう。

 

 

 

詳細は以下から。

 

 

 

01. 注目点を見つけよう。

 

学校でも教えられたように、注目ポイント(英: Focus)はとても重要と言えます。良い構図の鍵となる要素は、強調されたフォーカル・ポイント(英: Focal Point)で、読み手がデザインを最初に見たときに、視線を重要なポイントへ自然と誘導する手助けをしてくれます。

 

 

フォーカル・ポイントを決めるときは、どんなデザインでも最終目標はコミュニケーションであることを念頭に置いておきましょう。アイデアやいくつかの情報、または感覚(英: Feeling)や感情(英: Emotion)をうまく扱うことで、デザインは特定のストーリーを描くことができます。デザインをもっとも力強く、そして効果的に魅せることができるよう、フォーカル・ポイントを決めるようにしましょう。

 

 

以下サンプルでのフォーカル・ポイントは、女性モデルと洋服となります。そのためモデルは中央に配置され、フォントと黄色のサークルが強調し、視線をモデルの顔から洋服へと誘導します。またリーディング・ライン(英: Leading Line)を利用することで、女性モデルから視線をはずし、より細かい情報へと誘導しています。

 

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同様に以下のサンプルポスターでは、男性モデルに注目を集めています。まず男性モデルを中央に配置し、手描きグラフィックデザインでモデルを囲むことで、視線をフォーカル・ポイント(男性モデル)に集めています。

 

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02. リーディング・ラインを使って、視線を誘導しよう。

 

人に何かを見て欲しいときに、指差しするのと同じように、特定の直線ラインや図形シェイプは、デザインの見方をコントロールすることができ、はじめに視線が集まる場所となります。

 

 

リーディング・ライン(英: Leading Line)を使った、とてもよく知られているデザインのひとつは、フロー・チャート(英: Flowcharts)でしょう。フロー・チャートはラインを利用することで、視線をひとつのポイントから次へと、明確に示しています。以下デザインサンプルでは、フロー・チャートにリーディング・ラインを用いることで、楽しく、ユニークな方法で情報を紹介しています。

 

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リーディング・ラインは、情報の各ポイントごとに順番に誘導してくれます。上記サンプルを見た時に、まずメインとなるフォーカル・ポイントに視線が行き、その後はどうでしょう?リーディング・ラインをうまく配置、調整することで、フォーカル・ポイントだけでなく、残りのデザイン全体まで視線を行き届くように誘導してくれます。

 

 

以下サンプルでは、強調されたリーディング・ラインを利用することで、フォーカル・ポイントとなる見出しタイトルへとまず視線を誘導し、それからリスト状に並べられた情報へと進みます。

 

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もちろんすべてのデザインに、読み手の視線を集めるために、はっきりとした直線ラインを利用することはないでしょう。だからと言って、どうしようもできないというわけでもありません。画像イメージやグラフィックデザインの中にある、図形や直線を利用することで、ある一定の方向へと視線を誘導することができます。

 

 

以下のサンプルポスターでは、男性モデルの左手のラインを利用することで、視線をロゴにはじまり、残りの画像イメージへと誘導します。このケースでは、画像イメージの形が、視線を誘導していると言えるでしょう。

 

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03. 拡大縮小、そして階層を使おう。

 

拡大縮小(英: Scale)と視覚的な階層(英: Visual Hierarchy)は、デザインにおける土台とも言え、デザイン全体を良くも悪くもします。成功する構図では、うまく扱うことが重要になるでしょう。

 

 

とても簡単な説明として、階層(英: Hierarchy)とはデザイン要素を、視覚的な重要度に応じて並べるテクニックです。そのため、重要な要素は大きく、太字で表示され、あまり重要でない要素は小さく、色が薄く表示されることが多いでしょう。

 

 

階層は特に、フォント書体を扱うときにとても重要になってきます。より詳しい情報については、「トップデザイナーが教える、文字フォントを使った階層のつくり方7個まとめ」を参考にしてください。

 

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拡大縮小(英: Scale)は、読み手の注目を集めたり、はずしたりすることで、視覚的な階層をうまく伝える手助けをしてくれ、それぞれの要素が重要度を意味しています。

 

 

たとえば以下サンプルでは、拡大された画像イメージが、もっとも大きなデザイン要素となり、魅力的に見せることで注目を集めています。次に、もっとも太字で描かれた見出しタイトルは、記載された情報でもっとも重要であることを表し、詳細情報となるボディ・コピー(英: Body Copy)はより小さな文字で表示されています。このケースでは、拡大縮小はフォーカル・ポイントを読み手に合図し、文字テキストの階層を維持しています。

 

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また、拡大縮小を利用することで、デザインのサイズ感をうまく表現することができるツールとしても活躍します。とても小さくて、作りこまれた複雑なものから、巨大で壮大なものまで幅広く活用されています。

 

 

以下サンプルでは、佇んでいる二人のシルエットを小さく表すことで、目の前に広がる景色の雄大さやスケール感をうまく表現しています。

 

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小さなデザイン要素と大きなデザイン要素を、構図のコントラストとして描くことで、いくつもの異なるエフェクトを作成することができるでしょう。

 

 

 

04. デザイン要素のバランスを取ろう。

 

バランス(英: Balance)は、どんなことにおいても重要で、あなたのデザインも例外ではありません。

 

ではどうやって完璧なバランスを作成できるでしょうか?バランスにおける、2つの基本的な種類を見ていきましょう。

 

 

まずはじめに、左右や上下のデザインが対称で、釣り合いの取れたシンメトリー・バランス(英: Symmetrical Balance)です。よりバランス感を強調したデザインを作成することができます。

 

 

以下サンプルは、釣り合いの取れたシンメトリー・バランスとなります。この結婚式の招待状デザインでは、フォント書体やグラフィックデザインを均一に並べることで、シンメトリーな構図となっています。こうすうることで、エレガント(英: Elegant)で、清潔感のある(英: Clean)、美しいバランスを描くことができます。

 

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もう一つのバランスの種類で、おそらくより一般的に知られている、アシンメトリー・デザイン(英: Asymmetrical Balance)です。こちらは、釣り合いの取れていない、シンメトリーではないデザインを指します。

 

 

以下サンプルでは、アシンメトリー・バランスの良い具体例といえるでしょう。意図的に図形の大きさを拡大縮小し、ばらばらに配置しています。

 

中央にあるサークル円が、デザインにおけるもっとも大きな要素ですが、フォント書体に、整列された直線ライン、そして左下により重い質感のテクスチャを配置することで、うまく全体のバランスを取っています。

 

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アシンメトリー・バランスをマスターするコツとして、それぞれの要素の「重さ(英: Weight)」を検討するようにしましょう。小さなものは、大きなものより軽く、複雑なテクスチャは、フラットな配色よりも重いと考えることができます。うまくデザイン要素のバランス、釣り合いが取れるまで調整してみましょう。

 

 

 

05. まとまりのあるデザイン要素を利用しよう。

 

補色カラー(英: Complemetary Color)というのを聞いたことがあるかもしれませんが、デザインを補う要素(英: Complemetary Design Elements)はどうでしょう。効果的な構図のポイントのひとつとして、デザインに使用する要素を注意深く、意図的に決めることで、それぞれの要素がデザイン全体を補うことができます。

 

 

構図におけるありがちな間違いは、まとまりのない画像イメージの利用です。複数の写真をひとつの構図に利用する場合は、グループ分けしたときに、効果的にまとまっているか確認しましょう。いくつかの具体的なテクニックを、以下で見ていきましょう。

 

 

一緒に撮影された写真を利用しよう。

同じスタイルが採用されている写真を利用することで、まとまり感を表現できる簡単なテクニック。以下サンプルでは、複数のイメージ写真を美しくレイアウトしています。

 

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写真を似た色で揃えよう。

Photoshopアクションlightroomプリセットなど、広く知られている写真加工ツールを利用して、色付けしたり調整することで、よりまとまり感を演出することができます。以下のサンプルでは、白黒のモノクロ・フィルターを活用することで、より自然な写真イメージの結びつきを表現できています。

 

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似たスタイルで撮影された、写真を利用しよう。

同じような美しさやスタイルのある写真イメージを選んでみましょう。たとえばミニマルスタイルの画像を利用する場合、他もミニマル系にインスパイアされた写真を選ぶことで、全体デザインを補うことができます。以下サンプルでは、質感たっぷりで、材木を利用し、落ち着いた色合いでまとめられた、同じスタイルの画像イメージを利用しているのが分かります。

 

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まとまりのあるデザインを作成するということは、フォント書体と画像イメージの組み合わせにも影響します。たとえば、筆記体やスォッシュ、カール状デコレーションなどを加えた書体は、エレガントで洗練された印象を与えます。デザインの目的と意図に応じて、フォント書体を選ぶようにしましょう。

 

 

以下サンプルは、タトゥーとオールド・ファッション・ロックンロールの結びつきを祝うイベントポスターで、ビンテージスタイルのイメージ画像が、筆記体の見出しタイトルと、太字スラブ・セリフのボディ・コピーによって、うまくまとまり感が演出されています。ここでは、クリーンで、細い、ミニマルなサンセリフ書体は、ラフなロックンロールな雰囲気とは、コンセプトがマッチしません。

 

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06. コントラストを強調しよう(またはぼかそう)。

 

コントラストは、デザインにおける特定の要素を強調したり、ぼかしたりするときに、とても役立つテクニックのひとつです。コントラストを上げたり、鮮やかな配色を利用することで、その要素を目立たせ、注目させることができます。同様に、コントラストを下げることで、要素を背景にぼかすことができます。

 

 

以下サンプルでは、コントラストのきつい色を利用することで、写真に注目を集め、太字のフォント書体が、伝える情報のポイントを強調しています。同時に、細字で描かれた文字テキストを利用することで、フォーカル・ポイントからすこしだけ要素を外しています。

 

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上記ケースのように鮮やかな配色がデザインを強調するように、以下のサンプルでは、要素を隠すために鮮やかな色を使用しています。

 

黄色のクリップに黄色の背景を利用し、物体と机のコントラストをぼかしています。通常避けるべきテクニックですが、この場合は「Ignored Everyday(無視された日常)」というイベント名を補強する、素敵なデザインに仕上がっています。

 

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このようにコントラストは、特定の要素をデザインやメッセージ性を隠すときにも利用することができます。デザインの意図に応じてコントラストを使い分けることで、注目を集めたり、ぼかしたりしてみましょう。

 

 

 

07. デザイン要素を繰り返してみよう。

 

一貫性のある論理的なレイアウトを維持するには、デザインから特定の要素のみを取り出し、他の項目にも採用してみましょう。フォントの種類などは、さまざまな項目で利用することができるでしょう。また、モチーフとなるデザインを繰り返し利用することもできます。

 

 

反復(英: Repetition)」は、特に複数のページレイアウトを作成するときに、成功する構図の鍵となるでしょう。繰り返し利用されているデザインは、次のページへと進む手助けをしてくれ、まとまりのあるページを作成します。

 

 

以下サンプルでは、それぞれのレイアウトは似ていて、書かれている内容と写真、そして配色が異なるだけです。この繰り返された構図は、書式フォーマットを認識しやすくすることで、親しみやすく、情報を素早く伝えることができます。

 

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反復(英: Repetition)は、単一ページを作成するときにも鍵となる要因です。繰り返し同じグラフィックを利用することで、デザインをより強化し、まとまりを演出することができます。

 

 

以下サンプルでは、特定のフォントスタイルや、グラフィック、細いラインが全体のまとまり感を、効果的に作成しています。もしこのデザインの中央あたりに、太字やピンク色のグラフィクデザインを配置したら、すべてのまとまりは台無しになってしまうでしょう。フォントの種類、カラー配色を選定し、グラフィックデザインもシンプルにすることで、このケースではデザインを美しく、力強く表現しています。

 

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デザイン制作を行うときは、利用するフォント書体や直線ラインの太さ、配色などに気を配りましょう。そしてデザインのdこかに反復を活用し、まとまりのあるデザインを心がけましょう。

 

 

 

08. 余白スペースも忘れずに。

 

戦略的に利用された余白スペースは、全体をスッキリとさせ、より複雑なデザインと一緒に活用することで、ゆとりのあるスペースを確保するのに役立ちます。

 

以下サンプルでは、画像イメージとテクスチャ、フォント書体のバランスを取るために、余白スペースが利用されており、清潔感のある洗練されたデザインイメージを保っています。

 

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では実際に、どのように余白スペースを利用したら良いでしょうか。

 

グラフィック要素のサイズを縮小しよう。

画像イメージやフォント書体、グラフィックなどのサイズを縮小してみましょう。こうすることで、フォーカル・ポイントの回りにゴージャスな余白スペースが生まれます。以下サンプルでは、中央のデザイン要素を縮小することで、美しい余白スペースの枠を作成しています。

 

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全てのスペースをコンテンツで埋めないように。

余白スペースは、決して空のスペースというわけではありません。スペースが空いているからと言って、より多くのコンテンツで埋めてしまうことは避けるべきでしょう。

 

 

以下サンプルでは、商品を表す画像イメージに、太字の見出しタイトル、短い紹介文に、より詳しい情報へのリンクボタンのみが配置されています。すべてのスペースをコンテンツで埋めずに、シンプルなレイアウトにしたことで、十分な余白スペースが確保でき、各要素が効果的にきちんと並んでいます。

 

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デザインを作成するときは、その要素が本当に必要かどうか自分に尋ねてみましょう。これらすべての書体が必要?明るい青色の見出しタイトルが必要?3枚の異なる写真が必要?不必要な要素をデザインから削ることで、直接的にデザインができ、より十分な余白スペースが生まれるでしょう。

 

 

 

09. デザイン要素を整列しよう。

 

構図をデザインするときは、ただすべての要素をページに投げ入れるだけで、作業を終了しないようにしましょう。デザイン要素の整列は、手軽で素早く行うことができるでしょう。

 

デザイン要素の整列に困っているときは、Canvaツールを利用してみましょう。ページに要素をドラッグするだけで、自動的に整列するツールがあるので、時間をかけずにデザインを仕上げることができるでしょう。

 

 

以下サンプルでは、美しい雑誌用レイアウトが実現されています。各要素を並べることで、はっきりとした効果的なレイアウトを作成でき、視線を誘導しやすいだけでなく、目でも楽しめるコンテンツに仕上がります。

 

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整列(英: Alignment)は、フォント書体を扱うときにも、とても重要な要素となります。フォントを整列する方法はたくさんありますが、これまでの経験として、長い文字テキストを揃える場合は左揃えにすることで、視線をもっとも分かりやすく誘導してくれるでしょう。

 

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10. デザインを三分割しよう。

 

三分割法(英: The rule of thirds)は、等間隔に引いた水平線と垂直線2本ずつにより、画面を9等分(上下・左右方向にそれぞれ3等分)すると仮定し、それらの線上、もしくは線同士の交点上に構図上の重要な要素を配置すると、バランスが取れて安定した構図が得られるという、シンプルなテクニックです。

 

 

以下サンプルでは、うまく三分割法がデザインに取り入れられています。それぞれの線が交差した部分に、フォーカル・ポイントが配置され、よりデザインを効果的に魅せています。また中央の枠にデザインを加えることを避け、よりフォーカル・ポイントに注目を集めています。

 

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三分割法は、デザインの構図を決める取りかかりに最適で、各要素を素早く配置することができるでしょう。

 

 

以下サンプルでは、フォーカル・ポイント上で、それぞれのラインが交差しているのが分かります。最初の写真では二人のハイカー、次の写真ではもっとも大きな鳥となります。同時に、文字テキスト用ボックスの周りでもラインが交差することで、視線をこれらのポイントにうまく誘導しています。

 

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特にこの三分割法を利用したデザインを作成するときは、まずグリッドを使い、はじめてみましょう。こうすることで、より論理的に要素を並べる手助けをしてくれ、どこがフォーカル・ポイントになるかはっきり理解することができます。

 

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もし効果的なデザインを見つけたら、そのデザインを心のなかで分解してみて、どのような構成で作成されているのか探してみましょう。またはグリッドレイアウトを当てはめてみると良いでしょう。素敵なサンプルから、新しいインスピレーション、アイデアを得ることが大切です。

 

 

 

さいごに、。

 

デザインの構図を組み合わせるときは、たくさんのポイントを検討する必要があります。特にはじめての場合、要素を移動させたり、拡大縮小したりと時間がかかるかもしれませんが、これを続けることが良いデザインへの近道と言えるでしょう。

 

 

 


ずっと使える、デザインの基本をまとめました。【2017年改訂版】

効果的な配色の選び方や、興味を惹くフォントの組み合わせ、コンセプトをうまく伝えるデザインの秘訣やポイントなど、実践的なテクニックを中心にまとめています。

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参照元リンク : 10 Rules of Composition All Designers Live By – Canva Design School