Adobeの本気を垣間みた!これからが楽しみな10個の最新テクノロジーまとめ #AdobeMAX 2018

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10月15〜17日までカリフォルニア州ロサンゼルスで開催された Adobe MAX 2018 は、大盛況のうちに幕を閉じました。その中でも、名物コーナーとなっている Sneaks は、Adobeで現在開発中の基礎技術的なものを、開発しているエンジニア自らが、何千にものオーディエンスの前でプレゼンする、言わばAdobeの未来のテクノロジーを感じることができる企画です。

 

今回は、Sneaksで公開された10個の新しいテクノロジーをまとめてご紹介します。アニメーションを自由に操ったり、SNSシェアに最適な動画や動くスチール写真を作成したり、鼻歌を楽器に変えてしまうなど、魔法のようなテクノロジーが数多く披露されました。実現を約束するものではありませんが、これからが楽しみに感じるものばかりとなっていますよ。

 

 

#BrushBounty

 

たとえば、イラストに雨が降っているアニメーションを加えたいとき、新規でオブジェクトを追加し、キーフレームの作成など、さまざまな設定が必要となります。この新しいテクノロジーは、それらの面倒な作業の代わりに、ブラシでペイントするだけで直感的にアニメーションを加えることができます(1分35秒〜)。パラメーターを使い、自由に微調整することもでき(1分54秒〜)、髪の毛や夜の空、光彩グロウなどに対応予定。

 

 

#Project Smooth Operator

 

撮影した動画をInstagramなどのSNSに投稿しようとしたとき、画面の左右が切り取られてしまい、被写体が画面から消えてしまった経験はないでしょうか(50秒〜)。スマートフォンでのSNSシェアが当たり前になったいまにぴったりな、この新しいテクノロジーは、Adobe Senseiが自動で被写体を認識、追尾しながら、フレームの中心に配置してくれる機能です(1分50秒〜)。

 

 

#Project Fantastic Fold

 

商品パッケージなどを制作するプロダクトデザイナーあるあるを解決してくれるテクノロジー。平面で展開されたパッケージデザインを、立体的な3Dプレビューでリアルタイムで確認しながら、グラフィックを配置していくことができます(1分40秒〜)。生産性が上がるツールと言え、最後に日本でおなじみの折り紙の鶴を使ったデモンストレーションも披露されました。

 

 

#Project Waltz

 

スマートフォンに搭載されているジャイロセンサーを利用して、スマートフォンとパソコンをペアリングした状態で、3Dモデルをつかったバーチャル空間を作成できるテクノロジー。スマートフォンをつなげることで、3Dモデルの周りを自由に歩き回ることができ、静止画の撮影もできます。撮影した静止画は、その場でアニメーション付きでつなげることができたり(2分5秒〜)、画面の揺れを制御するスタビライザー機能にも対応するそう。

 

 

#Fontphoria

 

2018年のSneaksの中でも、特にオーディエンスの反響の大きかったテクノロジーがこちら。デモでは、Illustratorで作成されたチーズをかじったようなテキストスタイルを、すべてのアルファベットに瞬時に反映させ(1分15秒〜)、文字テキストの編集も可能です。また、アウトラインがかかった文字テキストも、そのまま再現し、文字を再編集することもできます(2分00秒〜)。さらに、iPadで撮影した写真に写ったタイポグラフィーを認識し、そこからベースとなるフォントを作成し、自由に文字を編集できます(3分10秒〜)。

 

 

#Project Fast Mask

 

After Effects であるオブジェクトにマスクを適用しようとすると、うまく反映できない(40秒〜)ことがよくあります。この新しいテクノロジーは、動画を静止した状態でオブジェクトを選択したら、Adobe Senseiが自動でマスクを適用してくれます。レンダリングもかなり速く、マスクもかなり高精度のようです(1分10秒〜)。背景だけをモノクロにしたり、レイヤーを挟んで文字を追加する(2分7秒〜)など、たった3クリックで実現しています。また、途中で柱などの障害物がある場合も、見事にオブジェクトとなる猫を認識しています(4分5秒〜)。

 

 

#Project Model Morph

 

Adobe Dimensionsをベースにしたテクノロジーで、CADなどの3Dファイルは読み込みはできるが、形の変更はできません。しかし、このテクノロジーを利用することで、手軽にそして直感的に、3Dモデルを自由変形できます。「Illustratorのパペットツールの3D版」といったところでしょうか。

 

 

#Moving Stills

 

クリックだけで、「動くスチール写真」を作成できる、会場もオーディエンスも盛り上がったプロジェクト。写真をベースに動画を作成するとき、スライドやズーム、パンなどのエフェクトを利用するのが一般的です。しかし、この新しいテクノロジーでは、クリックひとつで没入感や奥行き感を追加できます(1分40秒〜)。また、上下左右どのように移動させるかも選択でき、まるでドローンで撮影した動画のようなエフェクトも実現できます(2分42秒〜)。

 

 

#Project Kazoo

 

鼻歌を録音すると、そのメロディーをバイオリンの音でそのまま再現できてしまうテクノロジー(2分18秒〜)。この他にチェロやビオラなど他の楽器で音色を奏でたり、キーを高くするなどの微調整も可能となっています。 

 

 

#Project Good Bones

 

Illustratorでアニメーションを付けるとき、パペットツールを利用するのが一般的ですが、このテクノロジーは骨格となる骨情報をとることで、パペットツールよりも滑らかな動きを演出できます(1分7秒〜)。

 

 

Adobe CC道場でも、より詳しいSneaksの解説が行われていました。

 

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