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海外デザインブログCanva Design School Blogで公開された「Benefits of Walking: Why the Greatest minds take long walks」の著者より許可をもらい、まとめて日本語抄訳しています。

 

 

FacebookやTwitter、Zyngaなどの巨大なテック系カンパニーと関わりの深いマーク・アンドリーセンは、自宅近くのカルフォルニア、パロアルト(英; Palo Alto)ちかくを運転しているときに、道路を横切ろうとしていた、老いた男を車でひきかけました。

 

後ろを振り返り男を見ると、青のジーンズに黒のタートルネックシャツのトレードマークに気付きます。「なんてことだ!もうすこしでスティーブ・ジョブズをひくところだった。」、そう彼は思ったのです。

 

実際に、その日歩いていたのはジョブズ本人で、Appleが拠点をおくパロアルト周辺の散歩に出かけていました。スティーブ・ジョブズはこのエリアで、エクササイズや考え事をしたり、問題を解決したり、ミーティングにさえ長い散歩を活用することで有名でした。そしてそれはジョブズだけではありません。歴史上の素晴らしい人物たちも、散歩の長さに関わらず編集したり、物語を書いたり、ペイントしたり、ものを作成してきました。

 

 

今回は、散歩をすすめる5つの理由をご紹介します。より考え、作業をより終わらせ、より関連付け、長生きする手助けをしてくれます。

 

 

 

01. よりクリエイティブにしてくれる。

 

多くのひとが、良いアイデアは動いているときにひらめくと考えていますが、ついに科学的な根拠が示されました。2014年にアメリカのスタンフォード大学で行われた調査によると、わたしたちは歩き回っているとき、座っている状態に比べ、よりクリエイティブになるということが分かりました。この調査の共同著者であるマリリー・オペッツォ(Marily Oppezzo)とダニエル・スチュワート(Daniel Schwarts)は、176名の学生にクリエイティブな思考に関する課題を受けてもらいました。

 

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この調査では、1967年に発表されたGuilform’s Alternative Uses Taskを活用しました。この実験は、被験者に日常のありふれたものの使い方をリストアップしてもらいます。たとえばナイフはバターを塗ったり、パンを切ったり、人を指したり、豆を取り出したりするのに使えます。それぞれの答えは、独創性とアイデアの数と詳細でスコア付けされます。

 

オペッツォとスチュワートは、室内と屋外に座った状態、および室内でランニングマシーン(英: Treadmill)の上を歩いている状態、屋外を歩いている状態の異なる4つのパターンに学生を分けて、実験を行いました。

 

室内または屋外で歩いている人は、座っている人に比べて60%もクリエイティブであると分かりました。

 

加えて、81%の被験者において歩いているときに、クリエイティブさの増加が見られました。

 

更に、散歩を行ったあとに二度目のテストを受けても、クリエイティブさは保たれ、散歩後に座ったとしても、同様によい結果が示されました。

 

この研究では、実際に歩くことでどのようにクリエイティブになるのかは示されていませんが、脳みそを含めた体全体の血流の流れを助けることで、クリエイティブ性を刺激していると考えられます。

 

この実験で分かったもう一つの面白い結果は、室内で退屈しながらランニングマシーンの上を歩いた場合と、屋外を歩いた場合に違いは見られませんでした。環境(英: Environment)や感覚(英: Sensation)によって歩いている人がよりクリエイティブになるのではなく、歩くという行為に意味があるといえるでしょう。

 

実はこの散歩に関する実験の結果が、すべてよいニュースというわけではありませんでした。歩いているときに集中して考えなければいけない、ひとつの正解を求めるようなテストでは、座った状態がより良い結果になることも分かっています。

 

日常生活や仕事において、散歩を取り入れたいと思っているのなら、この実験はいくつかの証拠を示しているでしょう。とりかかっている作業が煮詰まってしまい、新しいアイデアがでないときは、ほんのすこしの散歩がクリエイティブ力を手助けしてくれます。ずっと座ってアイデアが生まれるのを待つのではなく、5分間外に行き、体の血流を良くしてみましょう。

 

 

 

02. 健康を維持してくれる。

 

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2年前にNilofer Merchant氏が行ったTEDでの講演では、動きながらのミーティングを推奨しています。毎日忙しい生活を送る彼女は、エクササイズの時間を取ることができなかったのをきっかけに、立ったままミーティングを行うようになりました。

 

彼女はTEDトークの中で、「わたしたちは平均しておよそ10時間座っている」という、おどろくべき統計を示しています。

 

 

仕事の日は机で作業をして、家に帰ってもTVやパソコンの前にいるようなひとは、より長い時間座っているといえ、健康に良いとも言えません。

 

活発に体を動かさないことは、心臓病や糖尿病、そしてがんの危険にもつながります。Merchant氏は、座っていることは新しい喫煙のようなもので、今していることによってすこしずつ体を傷つけ、10年、20年、50年後に後悔すると述べています。

 

実際に、散歩は魔法の薬のような働きをしてくれます。毎日30分の散歩を行うことは、心臓病や結腸がん(英; Colon Cancer)、乳がん(英: Breast Cancer)、痴呆(英: Dementia)のリスクを劇的に減らすのに十分な効果があると言われています。

 

毎日30分の散歩をするのがベストですが、もし時間に余裕がないときは短い時間に分けて見ましょう。朝に10分、昼に10分、そして夜に10分散歩を行うことで、ちょっとしたエクササイズにもなり、心臓と脳みそのはたらきを手助けしてくれます。

 

 

 

03. より生産性をあげてくれる。

 

海外ドラマ「ザ・ホワイトハウス(英: The West Wing)」を見たことがあるひとは、「Walk & Talk(歩きながら話して)」というフレーズを聞いたことがあると思います。毎回のエピソードで、大統領オフィスの忙しそうなスタッフが、「忙しすぎるぜ、ちくしょう(英: just too busy, goddammit)」と言いながら座り、ミーティングをはじめ、問題を話しあったり、説得したり、ゴシップを言いあっています。これは決まり文句(英: cliché)となっていますが、素晴らしいアイデアといえるでしょう。

 

散歩など動きながらミーティングを行うことは、特にシリコンバレーでは、現在流行トレンド(英: in vogue)のひとつとなっています。ミーティングを大きな木の板を挟んで行う必要はまったくない、という考え方で、外に出てミーティングしながらエクササイズしようというアイデアです。Nilofer Merchant氏は、平日の70パーセントのエクササイズは、歩きながらミーティングを行っており、他のタイプのミーティングに比べ、はるかに生産性をあげてくれます。

 

同時に、注意散漫になってしまう、ちょっとした問題もあります。外で歩きながらミーティングを行うとき、スマートフォン端末をポケットにしまっているので、オフィスにだれかが訪ねてきたときのように、コンピューター画面を見ることができません。さらに、外出しなければ仕事をかき乱されないで済むということを知っています。もちろん、これはあるタイプのひとの問題ではありますが。

 

iPhoneを携帯していないことが原因で不安になる(英: iPhone Separtion Anxiety)は実際に起こっていて、人々は作業デスクや、スマートフォンなどのガジェット機器から、どんな時間の長さであれ、離れるという行為を好みません。

 

また、多くの人は歩きながらの形式のミーティングで、どのように振る舞ったら良いのか分かりません。Merchant氏は、歩きながら行うミーティングに変な印象を持つ人もいるかもしれませんが、しばらくするとその良さが分かるようになり、喜んで散歩に出かけるようになるだろうと述べています。

 

もちろん、先述した健康とクリエイティブ性の恩恵も受けながら、座っているよりもより良い効果を生むでしょう。

 

もし動きながらのミーティングを取り入れたいのなら、一緒に外出したい同僚とはじめるのが最適です。毎週散歩ミーティングを調整し、仕事の問題点を一緒に話し合い、アイデアのブレインストーミングできるでしょう。Merchant氏が述べているように、外出していると伝えておくことで、他からの不満もなく、よりたくさんのアイデアが出るでしょう。

 

 

 

04. コミュニケーションに最適の方法。

 

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スティーブ・ジョブズとマーク・ザッカーバーグのどちらも、他のミーティングに比べより自然で、邪魔が少ないという理由で、はじめての人とのミーティングを動きながら行うことを好んでいるそうです。

 

同時に、動きながらのミーティングは、ふたり以上の人がいるときにはあまり向いていません。大きなグループで一緒に歩きながら話すこともできますが、散歩ミーティングは1対1(英: One-on-one)に適していると言えるでしょう。私が実際に体験した、サイエンス関連におけるはじめての仕事の面接は、今後20年で神経学になにを求めているのかを、私ともうすぐ上司になる二人で、スイスのローザンヌを歩きながら話し合いました。

 

歩きながら深い会話を二人でするという自然さ(英: naturalness)や考え方が、散歩ミーティングに注目が集まる理由でしょう。

 

もし同僚とアイデアの交換がうまくできていないと感じるなら、二人で外にでて、近くの公園をグルグルしながら意見をだしあってみるだけでも、うまく手助けしてくれるでしょう。

 

繰り返しになりますが、血流の流れが良くなった状態は、問題の解決に必要なクリエイティブなアイデアをより出すだけでなく、それらのアイデアをより流暢に(英: Fluently)引き出し、同僚とコミュニケーションを取る手だけをしてくれます。

 

 

 

05. 世界的偉人たちが習慣に。

 

スティーブ・ジョブズが散歩が大好きだっというのは、最近ウォルター・アイザックソン(Walter Issacson)による伝記で明らかにされ、テクノロジー系エリートたちがこぞって散歩する理由にもなっていますが、この動きながらアイデアがよく出るという発見は、ジョブズが最初だったとは言えないようです。

 

ベートーベン(英: beethoven)は散歩に熱心で、歩いている際中にみじかい休憩を取り、脚のストレッチなどを行っていました。そして午後になるとオーストリア、ウィーンに思いを馳せるという生活を送っており、常にペンと紙を持ち歩き、なにかひらめくと書きとめていたそうです。とくに彼の交響曲第6番は、「田舎」の標題が付いていることでも知られ、地方や森林の風景を描いています。

 

ベートーベンの散歩の熱心さに影響された、その当時のもうひとりの天才がゲーテ(英: Goethe)でした。作曲家のベートーベンと詩人のゲーテは、チェコ国境付近のリゾートの街、テプリツェ(英: Teplice)で出会い、街中を一緒に散歩して回りました。実際のところ、ベートーベンはもともとゲーテの大ファンだったので、散歩ミーティングのあまり良い具体例ではないかもしれません。お互いきらいになってしまい、二度と会うことはなかったそうです。ゲーテにはもうすこし散歩を続けて欲しかったところですが。

 

 

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散歩に熱心だった、もうひとりの歴史上の人物がチャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)です。ロンドンの街中や、ケント(英: Kent)にあったカントリー・ハウス周辺で長い散歩をいつもしていたそうで、それは本当に「ながい」散歩だったそうです。ディケンズは、特に夜にかけて30マイル(およそ48km)ほど歩いていたとされています。彼は散歩をしたくなったらいつでも、そして考えごとがあるときはいつでも、頭のなかで問題が解決されるまで歩き続けていたそうです。

 

毎日30分歩くことを最低限としたら、30マイル毎日歩くことは最大値といえ、やり過ぎかもしれません。しかしディケンズ自身には、その散歩スタイルが見事にはまり、いまでも親しまれる小説の登場人物の数々を、街並みや人々を観察しながら、つくりだしてきました。

 

ビクトリア時代にケント(英: Kent)周辺の散歩を楽しんだひとが、もう一人のチャールズ、科学者のチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)でした。ダーウィンは家の周りに砂利道をレーストラックのように敷き詰め、なにか問題がある日はその回りを歩いていたそうです。歩きはじめるときに、いくつかの石を重ねておき、一周するたびにひとつずつ落とし、問題の難しさを3、4、5個と表現していたそうです。

 

ジョブズがシリコンバレーを歩き回っていたことで、若いテック系のリーダーの中でも、散歩はよく見かける特徴のひとつになっています。

 

Facebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグは、特に散歩ミーティングを好むと言われています。もしFacebookで働きたいと思っているのなら、ザッカーバーク氏による面接が、彼のオフィスで行われると思ってはいけません。きっとキャンパス内のツアーに連れだし、さまざまな部門を紹介し、どんな経験や会社に対する考えを持っているか尋ねてくるでしょう。

 

Twitterの共同創始者で、デジタル決済SquareのCEOをつとめるあるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)は、新しいSquareの従業員を、働きだした最初の金曜日にあつめ、一緒に「ガンジーウォーク(英: Gandhi Walk)」というイベントを行っているそうです。このイベントは、サンフランシスコの街並みを従業員と一緒に、Squareの本社オフィスまで歩きながら、会社の基本的なガイドラインについて説明するというものです。

 

もしあなたが森林のなかでぶらぶら歩きながら、午後を過ごしたり、行きが詰まりそうなオフィスではなく外に人を連れだそうと思ったら、それはよい関係を築けているということでしょう。

 

 

 

さあ、今日から散歩をはじめよう。

 

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最後に言えるのは、散歩は素晴らしいということです。クリエイティブな考えにさせるだけでなく、同僚に対してそのアイデアをよりうまく伝えることができ、より過ごしやすくなるでしょう。

 

ときには外が寒かったり、雨が降っていたり、怠けたい気分だったり、ほかにも何千という、散歩をしない理由はあります。

 

しかし毎日、散歩のための時間を見つけることからはじまり、ミーティングを屋外で行うなど日常に取り入れることで、散歩がより当たり前になってくるでしょう。そして、より考えを深め、生産性をあげ、よく学び、長生きすることに気付くでしょう。さあ、散歩に出かけましょう。

 

 

参照元リンク : Benefits of Walking: Why the Greatest Minds Take Long Walks – Canva Design School