進化論のダーウィンも使った?!200年前の色辞典をデジタル化したWerner’s Nomenclature Colours

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写真撮影が今のように一般的になる前は、さまざまな配色をCMYKやRGBなどの表記ではなく、言葉で表現しており、そのガイドブック的な存在がヴェルナーの色辞典「Werner’s Nomenclature of Colours」でした。あの進化論でも有名なチャールズ・ダーウィンも、世界の自然史の研究を行った、HMSビーグル号による航海中に、このガイドブックを持参していたそうです。
 

1814年に出版されて以来、200年以上が経過したいま、ヴェルナーの色辞典がオンライン上に Werner’s Nomenclature of Colours として復活しました。

 

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18世紀のおわりに、ドイツの地質学者アブラハム・ヴェルナー(英: Abraham Gottlob Werner)が110色におよぶ色を分類するガイドラインを考案し、スコットランドの画家パトリック・シム(英: Patrick Syme)によって1821年に改訂されました。現代のデジタル化された色の定義に比べ、実用性はあまりありませんが、それぞれの配色に素敵な定義が記述されています。

 

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ヴェルナーの細かい記述を頼りに、シムは各色の色見本と、動物や植物、鉱物など自然のどこで、その色を見つけることができるか具体例を追記し、ヴェルナーのオリジナルのガイドを強化しました。幸い、Internet Archiveで本のスキャン
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できたこと、2018年のはじめにスミソニアンから200年ぶりに書籍として再出版されたこと、これらによって、今回の色辞典のデジタル化計画がはじまったそう。

 

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このデジタル化されたガイドブックでは、各色に素早く移動でき、ヴェルナーが実際に挙げた具体例をサンプル写真で確認できるなど、現代のデジタル用途に対応しています。以下は、色辞典の1色目、スノー・ホワイト(英: Snow White)。頭の黒いカモメの胸のフェザー、マツユキソウ、大理石、石灰華で見つけることができる色。

 

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53色目、エメラルド・グリーン(英: Emerald Green)の例。コガモの美しい羽スポット、鉱山のエメラルドで見かける色。含まれる色をクリックするだけで、一発で移動してくれる実用的なつくり。

 

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110色に分類された色は、以下の10色にグループ分けされており、こちらもクリックで移動可能となっています。カラーリングに悩んだり、自然をテーマにしたプロジェクトを手がけるときなど、配色の参考にしたい素敵な色辞典でした。

 

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さらに、110色のHEXカラーコードをまとめた Google Doc も公開されており、現代版に改訂された色の定義をすべて揃っているので、ウェブデザイン制作には、こちらも活用してみると良いでしょう。

 

参照元リンク: Werner’s Nomenclature of Colours