海外サイト 99designs で公開された 11 inspiring packaging design trends for 2020 より許可をもらい、翻訳転載しています。
この記事では、これから2020年に注目したいパッケージデザインの最新トレンド11個をピックアップ、大予想しています。おそらく最近のパッケージトレンドのなかで、もっとも革新的な年のひとつとして予想される2020年。これからのクリエイティブなデザイン制作で使えるテクニックを、たくさんのデザイン事例と一緒にご紹介です。
- 1. ストーリー性のあるパッケージ
- 2. メタモルフォーゼの美学
- 3. レトロ・フューチャリズム
- 4. ぼかしカラーと画像
- 5. マキシマリズムと超詳細パッケージ
- 6. 環境に配慮したパッケージ
- 7. 自然で素朴なパステルカラー
- 8. 構造化されたレイアウト
- 9. 伝統製品の新しいスタイル
- 10. ホログラフィックと虹色パッケージ
- 11. 色が透ける透明パッケージ
01. ストーリー性のあるパッケージ Packaging that tells a story
2020年、ブランドはインパクトを与えるために、パッケージ以上のなにかが必要になってくるでしょう。顧客とのつながりを強固にしたいのであれば、ブランドのストーリーを織り込んだパッケージを活用し、クリエイティブな作品に仕上げてみましょう。
パッケージを開封するかのうにストーリーを追加してみましょう。オンラインでは、店頭での雰囲気や接客などの体験がどうしても不足してしまうため、パッケージはより重要となってきます。
99designs開発ディレクターWill Krispin
すべてのブランドにとってストーリーを伝える、ストーリーテリング(英: Storytelling)のトレンドを活用できますが、特にオンラインで販売されている製品は、このトレンドをうまく取り入れていみると良いでしょう。どうしてもオンラインでは、商品をさわったりできないため、あらゆるストーリーをパッケージに利用することで、顧客との強い結びつきを構築できます。
via Causebox
サブスクリプション用のボックスも継続的に増えており、2020年のストーリーテリングをつかったパッケージトレンドにも反映されています。
2020年には、ブランドがパッケージデザインに対してより包括的なアプローチをとり、ブランドの背景ストーリーを伝え、重要なメッセージも伝え、顧客との理想的な深いつながりを構築する機会として、パッケージを使用してみましょう。
via Andrewzz
02. 個性 Metamorphoses
2020年は、パッケージデザインのバラエティの豊富さに驚かされるでしょう。世界中でさまざまなブランドや製品が無数に出回っているため、本当の特別さを作り出すことが困難になっています。そのため、「変身、変化」を表現する「メタモルフォーゼ」のように、これまでと全く違う魅力的なアイデアのデザインは、2020年のパッケージトレンドのなかでも特に人気が予想されています。
鳥がくだものになったり、風景の一部が動物だったりといった、普段とは異なるタイプのイラストを組み合わせることで、ブランドを強く印象づけるのに役立ちます。製品やブランドのストーリーを伝えるだけでなく、パッケージ自体がアート作品のようになるでしょう。
Mila Katagarova
この「メタモルフォーゼ」の概念は、表と裏のあるようなデザインと考えてみましょう。あるデザインから、別のデザインへ変化、変換していると言えるでしょう。
このトレンドは、パッケージに魅力的なビジュアルを追加しながら、より詳細が知りたい消費者をうまく引きつけることができます。競合ライバルとの差別化はもちろん、ユーザーの関心を引くのにも役立つでしょう。2020年には、よりアート性の高い芸術的で、前衛的なパッケージトレンドを取り入れることが期待されています。
03. レトロ・フューチャリズムRetro-futurism
文字だけ見ると。レトロと未来は矛盾しているように感じるかもしれません。しかし、このレトロ未来なデザインは、懐かしさ(レトロ)と期待(未来)の両方の感情がうまく連携しています。ここ数年にわたって人気のグラデーションのトレンドと組み合わせ、レトロと未来を同時に表現するパッケージを作成することで、消費者に注目されるようアピールできるでしょう。
明るいネオンカラーとグラデーションは、パッケージデザインの領域にシフトし、レトロフューチャリズムの雰囲気をブランドに追加します。
goopanic
あらゆる色のネオンカラーや鮮やかなグラデーション、レトロデザインの雰囲気(ミニマルスタイルのロゴやレトロ風タイポグラフィなど)が、ユニークで思いがけない形でトレンドと融合するでしょう。
via goopanic
via nevergohungry
via Terry Bogard
via JULIAMARIE
via cynemes
04.ぼかしカラーと画像 Blurry color splotches and blurred images
まだまだ人気のグラデーションカラーを活用した2020年のトレンドは、レトロ・フューチャリズムだけではありません。「グラデーションの使い方には、スポット型グラデーションやマルチグラデーション、そしてぼかしがあります」と、デザイナーOhbachtは述べています。
ぼやけた色をうまく利用することで、パッケージをエッジの効いたデザインに仕上げます。このトレンドは、グラデーションの新しい使い方で、2020年にはより抽象的な見た目が人気となるでしょう。また以下サンプル例のように、画像にわざとぼかしを適用し作成したグラーデション効果なども取り入れることで、背後にある画像が何なのかじっくり見るため、消費者をうまく引き込むことができるテクニック。
via https://www.instagram.com/viamic/
via Monoglyceride
via Oyeah
via Kin Euphorics
via Butcha Kombucha
05. マキシマリズムと超詳細パッケージ Maximalism and heavily detailed packaging
ミニマルなパッケージデザインは、2020年も変わらず人気が続くでしょう。しかし、多くの専門家が2020年の景気低迷を予測しているため、より多くの商品者が製品の豊かさや贅沢感に目を向けるでしょう。これこそが、引き算のデザイン手法であるミニマリズム(英: Minimaism)の真逆、足し算のデザイン手法「マキシリズム(英: Maxilism)」が人気となる理由です。
より豪華で、より注目を集める鮮やかな色彩が、2020年のトレンド予想のひとつです。製品の品質を表現する「より重厚感」のあるデザインや、詳細まで細かくデザインされた美しいグラフィックなど。
99designsデザイナーAgi Amri
2020年は、消費者が製品によりハイエンドな体験を求めるようになると(優雅な休暇など、高級感のある体験などに特に重要)、より多くのブランドは豪華で、美しいディテールに焦点を当てるようになります。より複雑にデザインされた、より深みのなる配色カラーパレットを使用することがポイントです。
06. 環境に配慮したパッケージ Ecologically aware packaging
異常気象などの気候変動は、世界中で起こっています。2020年のもっとも重要なパッケージデザインのトレンドのひとつは、間違いなく、ブランドがより環境に優しいパッケージを採用しているかという点です。
デザイナーとクライアントにとって、今後数年間の最大の課題のひとつは、現在の素材に代わるエコロジーでプラスチックを使用しないパッケージの代替品を見つけることです。
99designsデザイナー Obacht
より多くのブランドが、環境に優しい材料を使用し、リサイクル可能で、最低限の材料をつかった包装パッケージを利用し始めています。これまでの典型的なダンボールのパッケージではなく、新しいアイデアをデザインする方法を見つけることが大事になるでしょう。
via Dieline
via EC30
via identity pulse
07. 自然で素朴なパステルカラー Natural & earthy pastels
上記トレンドのように地球環境からインスパイアされたパッケージは、素材だけでなく、ブランドの配色カラーパレットにも採用されるようになるでしょう。
ここ最近数年間は、明るいパステルカラーや光沢のあるメタリック系のグラデーションが人気でした。しかし、2020年はより控えめで繊細、素朴な色合いが人気となるでしょう。特にオーガニック食品や美容関連のパッケージがすでにこのトレンドを取り入れており、淡いみどり色や青、茶色などが流行しています。
より自然な色合いが長年にわたってオーガニックブランドの注目を集めてきましたが、消費者が環境に優しいブランドから製品を購入する機会が増えたことで、地球にインスパイアされた配色カラーパレットが人気となるでしょう。
via monostudio
via monostudio
via athenabelle
via Klidesign01
via Multipraktik
via gianni88
08. 構造化されたレイアウト Neatly structured layouts
見た目にも魅力的で、絶妙のバランス感覚と階層などをデザインできることから、しっかりと構造化されたレイアウトが、パッケージデザインの世界で大きなトレンドになりつつあります。
このパッケージデザインのトレンドは、タイポグラフィがデザインでどのように使用されるかということです。個性的でユニークなフォントの組み合わせは、バランスの取れた余白スペースや線によって区切られ、読みやすいなど、ミニマルなアプローチが特長です。
タイポグラフィをつかったパッケージはすでにたくさんありますが、このデザイントレンドは2020年により発展するだろうと予想されています。
via Obacht
via Eva Hilla
9. 伝統製品の新しいスタイル New constructive forms for traditional products
よりユニークですぐ使えるパッケージのアイデアのため、これまでの伝統的な形にとらわれないパッケージの増加が期待されています。このトレンドのもっとも効果的な使い方としては、ブランド力をアップし、ストーリーを伝えるパッケージデザイン(たとえば、以下サンプル例のようにジャムを絵の具パレットに見立てたり、袋を農民風にした生鮮食品デリバリーサービスなど)を検討してみましょう。
デザイナーは常に新しいデザインの形を探しており、毎年さまざまなコンセプトのパッケージが登場します。2020年は、伝統的な製品を新しいカタチで魅せるパッケージデザインが、さらに増えてくるでしょう。
via Behance
10. ホログラフィックと虹色パッケージ Holographic and iridescent packaging
2020年パッケージデザインのもうひとつのトレンドが、見る角度で色が変化するホログラフィックや玉虫色のような虹色パッケージデザインです。クールなグラフィクと黒または白の背景と組み合わせることで、エッジの効いた雰囲気を演出でき、メタリックな光沢感を魅力的にデザインします。
このトレンドは、パッケージの世界ですでに活躍し始めています。灰色や黒などのより深い色合いを混ぜることで、落ち着いた雰囲気の背景を作成したり、ハッピーで若々しいデザインにも活用できます。
via Huntress ™
11. 色が透ける透明パッケージ Transparent packaging that allows color to shine through
飲料やスキンケア製品などの多くは、すべての独自のカラーを持っていることがほとんどです。2020年には、ブランドが色を使わずに、パッケージに直接プリントするトレンドが予想されています。
このトレンドは、特に飲料ドリンクで使われ始めており、ガラスに直接ラベルの印刷をするか、透明ステッカーを貼るだけのお手軽さも人気の理由です。背景色に製品の実際の色を用い、白色で文字やロゴなどを印刷します。99designsデザイナー Obacht
製品の色をそのまま使った透明のガラス瓶のパッケージは、ブランドのビジュアルを損ねることなく、よりミニマルなアプローチをとることできる効果的なテクニックと言えるでしょう。
via devel00per
via freedom+n
2020年の準備はできていますか。 Are You Ready for 2020?
2020年はもうすぐそこまでやってきています。次の年に流行しそうなパッケージデザインのトレンドをうまく活用し、今後のデザイン制作にも役立ててみましょう。
参照元リンク : 11 inspiring packaging design trends for 2020 – 99designs