卵焼きや揚げ物、かまぼこ、焼き魚、煮物や漬けもの、佃煮といったおかずに、ごはんを詰め合わせた弁当箱。
いま、日本伝統の弁当箱が、WebデザインやUIデザインに与える、大きなトレンドになっています。
「Bento UI」を呼ばれるこのトレンドは以前からありましたが、デザイナーがその使い勝手の良さに気づき、人気になってきたのはここ1,2年のことです。
多くのデザイントレンドと同じように、その起源には諸説ありますが、アップルが自社のUI要素にBento UIを採用したことから、「Bento UIが流行したのはアップルのおかげ」という人も。
または、「MicrosoftのMetro UIが、事実上のBento UIだった」と指摘する人もいます。
人気がますます高まっているのは間違いなく、使われば使われるほど、UIスタイルとして確立されていくでしょう。
Bento UIとは?
Bento UIはややこしく聞こえるかもしれませんが、実はとても分かりやすいデザインの構成方法です。
シンプルで効率的なので、デザイナーにもユーザーにも人気があるのが特長。
Bento UIは、UIデザインの原点である「視覚的な階層」と「構成」をベースにしています。
Bento UIが際立つ理由はずばり、小さくて長方形のレイアウト(スマホなど)に適していること。
言い換えれば、Bento UIはモバイルデバイスで見事に機能するため、レスポンシブレイアウトを作成するデザイナーにとっては、うれしい贈りものに。
Bento UIデザインの利点・メリットは?
Bento UIデザインのトレンドは、デザイナーはもちろん、デベロッパー、そしてユーザーにとって、いくつかの重要なメリットが。
- シンプルさ: Bento UIでは、さまざまなデザインに対応するレスポンシブレイアウトを、簡単に作成できます。
- 構造: Bento UIを使えば、コンテンツを視覚的に魅力的な。階層のある構造に簡単に整理することができます。
- モダンでおしゃれ: Bento UIデザインはモダンな見た目で、ファッション性の高い雰囲気を演出できます。
- 扱い慣れている: AppleやMicrosoftといった大企業がBento UIを採用しているため、ユーザーはコンテンツの使い方や整理方法を熟知しています。
Bento UIは単なるデザイントレンドのひとつ?
どんなデザイントレンドもそうですが、今はおしゃれで革新的に見えても、時間が経つとやがて、疲れ果てて古く感じてしまうものです。
実際、Bento UIの流行はすでにピークに達しており、これから加工の一途をたどるだろうと、主張するデザイナーも。
しかし、かつて多くの専門家が、「レスポンシブデザインは単なるトレンド。」としたが、いまではWebデザインでは当たり前のように、広く普及していることを忘れてはいけません。
アップルはUIデザインをとてもゆっくりと進化させています。
Bento UIはmacOSやiOS、そして新しいvisionOSの核となるUIコンポーネントです。
👉 アップル「Vision Pro」空間デザイン:没入型体験のための8つの原則とガイドライン
さらに、ウェブデザインも進化したことで、Bento UIの制作がより簡単になりました。
かつて苦労して実装していたレイアウトも、CSS Gridの登場によって、他のグリッドレイアウトと同じように編集でき、おどろくほど簡単になりました。
Bento UIのはじめ方
Bento UIは、コンテンツを一口サイズに分割すること効果を発揮し、いつでも始めることができます。
- グリッドから始める: Bento UIは常時グリッドシステムで動作し、グリッドの各セルサイズは正方形でなければいけません。
- セルにコンテンツを割り当てる: セルに合わせてコンテンツを配置、挿入します。すべてのセルを埋め尽くす必要はありません。
- 階層をつくる: 異なる大きさの正方形は、視覚的に強調でき(大きいほうがより重要)、フォーカルポイントを作り出すことができる。
- 関連コンテンツをグループ化する: 関連するコンテンツは、隣接するセルに配置しよう。
- とにかく楽しんで: Bento UIは楽しい雰囲気のレイアウトのため、明るい色やポジティブ雰囲気のフォントやダイナミックな画像などを追加してみましょう。
Bento UIのアイデアが欲しい?
「使ってみたいけど使い方がよく分らない」というひとも大丈夫。
Webやグラフィックデザインにおいて、クリエイティブなBento UIの活用例をまとめた専用ギャラリー「Bento Grids」を使えば、ライトモードとダークモードのフィルタ検索もできます。
アイデアが出しに困ったときにいつでも活用してみましょう。
Bento UIはあなたのプロジェクトに適してる?
Bento UIは単なるデザイントレンドのひとつではなく、デザインが進化している「過程」。
見た目が魅力的で、使いやすいユーザー体験を提供する、効果的なUIテクニックと言えます。
CSS Gridのおかげで、Bento UIは他のレイアウト同様、開発もスムーズで、特にモバイル向けデザインに適しています。
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ただし、Bento UIはすべてのプロジェクトに完全に対応できる、というわけではありません。
Bento UIは特に「シンプルな階層づくり」に適しており、複雑な構造はあまり得意ではないかもしれません。
Bento UIは見た目もおしゃれで、使い勝手も良く、今後もしばらく人気が続くでしょう。
Vision Proのような新しいテクノロジー技術が登場すれば、予想もできない進化を遂げるかもしれません。
海外サイト WebDesignerDepotで公開された What is the Bento UI Trend, and How Can You Get… より許可をもらい、翻訳転載しています。