【2023年版】いろんなデザイントレンドを調査、まとめてみた。

私たちPhotoshopVIPでは、2009年より10年以上にわたり、数え切れないほどのデザイントレンドを紹介しています。

今回は、さまざまな分野で話題のデザイントレンドを取り上げ、詳しく調べてみました。

いずれもたくさんの実例サンプルと一緒に、詳しく深堀りされています。

この記事では、13のトレンドレポートを分析した結果をお伝えします。

(今回のトレンドリストについて)

  • 対象は上記に紹介した、合計13のトレンドレポートを調査
  • クリエイターが確認しておきたい、各ジャンルのデザイントレンドを網羅
  • ノスタルジックやレトロが中心

クリエイティブ・トレンド2023 | Adobe Stock

Adobe Stock(アドビ・ストック)のトレンド予想

コロナウイルスによる、世界的なパンデミックから回復に向かいながら、数年つづいた不確実な毎日。

もやもやしたストレスや、疲れを吹きとばしたい。

親しみやすいエンタメ、見るひとの心を癒すコンテンツ、新しい考え方を喚起するイメージ。

これから変化や進化を遂げたい、という心理状態があらわれたトレンド予想。

25秒でわかる、アドビストックのトレンド予想2023年版

アドビストックでは、各トレンドに合わせた素材ギャラリー(商用利用可能)も公開。

写真やイラストはもちろん、ベクター、PSD、ビデオ、オーディオ、テンプレート、3Dまで勢ぞろい。

質の高さはアドビならでは。

最初のひと月は素材10点無料、体験お試しキャンページも実施中。

参照元 : インスピレーションと本質的なものへの探求:Adobe Stock 2023年クリエイティブトレンド

グラフィックデザイン・トレンド2023 | GraphicMama

Top Graphic Design Trends 2023: Shaping the New Reality

GraphicMamaのトレンド予想

  • 「Clay Look(粘土スタイル)」
  • 「The 3D Memphis Style(3Dメンフィス・スタイル)」
  • 「The Clean Style(クリーンスタイル)」
  • 「Trippy Design(トリッピーデザイン)」
  • 「Neon & Abstract Cartoon Stickers(ネオンとキャラステッカー)」
  • 「70s Retro Flat Design(70年代レトロフラット)」
  • 「Simplified 3D style(シンプルな3Dスタイル)」
  • 「Abstract Line Art Characters(複雑なラインアートのキャラクター)」
  • 「Artistic Serif Fonts(アートなセリフ書体)」
  • 「Rainbow Palette Colors(虹色カラーパレット)」
  • 「Nature-Inspired Design(自然回帰デザイン)」

2023年のグラフィックデザインのトレンドとして、数百万の中から最も影響力があり、注目しておきたい11のスタイルを紹介。

デザインをどのように作成すればよいか、アイデアやコツが満載。

粘土のようなクレイスタイル、そこから派生の3Dイラストなど、レトロやノスタルジーな雰囲気と組み合わせるのが主流に。

おしゃれなセリフ書体、レインボーカラー、自然をモチーフにしたデザインなど、幅広いスタイルを網羅。

各トレンドのポイントを、事例サンプルと一緒に紹介した動画は、時間がないときにもおすすめ。

2023年のグラフィックデザインが5分でわかる動画
Chubby Animals – Pig by Federico Piccirillo
Marvin by Clim Studio
Microsoft Emojis Film by Tendril
Good Brew Co. – Brand Launch Videoby Jose Morquecho
Clim Studio by Pleid St.
Yope Wild Things by Abra.Network

参照元 : Graphic Design Trends 2023 Are Shaping the New Reality – GraphicMama

Webデザイン・トレンド2023 | 99designs

web design trends 2023

99designsのトレンド予想

  1. ホバーアニメーション付プロダクトカード
  2. 没入感のある3D世界
  3. 全パーツを魔改造、「Overstimulation」
  4. パララックスズーム・スクロール
  5. 90年代ナビゲーションメニュー
  6. スクラップブック風デザイン
  7. オーバーラップ文字テキスト
  8. タイポグラフィック・レイアウト
  9. 404ページの社会地位向上委員会

独自のアートを創造できるまでなったAIや、VRによるメタバースの人気、没入感やシミュレーション、映画のような手法を取り入れたウェブサイト。

同時に、世界的な不況は、喜びや逃避行のような体験を後押し。

インターネットやスマホが世界的に普及したいま、ウェブトレンドはものすごいペースで、かつグローバルに変化しています。

2022年話題になった世界ベストWebサイト一覧も、今後の参考にしてみると良いでしょう。

参照元 : 9 Interactive Web Design Trends for 2023 – 99designs

UXデザイン・トレンド2023 | 99designs

2023-UX-design-trends from 99designs

99designsのトレンド予想

  1. ホバーエフェクト付の商品詳細の表示
  2. 洗練されたスクロール
  3. ブランド体験による待ち時間の短縮
  4. インタラクティブで、中毒性のあるナビメニュー
  5. ネガティブをポジティブに
  6. Aiによるチャットボットの高度化
  7. 音声合成による検索やアシスト
  8. 過度な刺激(Overstumulation)

2023年のUXデザイントレンドは、機能が豊富で、魅力的なビジュアルをもつWebサイトが増えるでしょう。

日常のプレッシャーから逃れるように、ブランドからエンタメ性をますます求めるように。

サイトもそれに合わせて変化しています。

話題でもちきりの人工知能や、ホバーエフェクト、ナビメニューの新スタイルなどを駆使し、刺激的なウェブ体験を生み出そうとしています。

没入感のある3D環境で、ユーザーとのインタラクションを強化する、トレンドが揃いました。

参照元 : 8 interactive UX design trends for 2023 – 99designs

タイポグラフィ・トレンド2023 | Monotype

Monotypeのトレンド予想

  • 多様なスタイルを組み合わせ、「Match Maker(マッチメーカー)」
  • アウトラインとシャドウ、「Superhero(スーパーヒーロー)」
  • 柔らかく、正方形にカット「Smart Grid(スマートグリッド)」
  • ひとときの安らぎ「Super Sober(スーパーソバー)」
  • 墨だまり(Ink Traps)やHipertensionsの「Making the Cu
  • 懐かしいピクセルアート「Pixel Play
  • アニメーションや動きのある「Flux(フラックス)」
  • 3Dモデリングの「Volume Up(ボリュームアップ)」
  • 読みやすさを保ってリキッド化、「Liquify
  • AIが生成する「AI Painting

Monotypeのタイポグラフィートレンドは、どれもよく見かけるスタイルが勢揃い。

ここでもピクセルアートなど、レトロ、ノスタルジック系スタイルが人気という予想に。

もっとも気になったのが、AIによる画像生成が第10位にランクイン。

このレポートの一文に、ヒントがあるのかもしれません。

「産業革命は製造業に革新をもたらし、一見すると労働時間を減らし、遊ぶ時間を増やすことを約束しているように見えた。しかし、生産性の向上と効率化は、企業の利益と成長に食い潰された。私たちは、より速く、より生産性の高い機械を使っているだけで、同じ時間を仕事に費やしているのです。AIは、私たちの手に負えないほどの生産性とスピードを与えてくれるのでしょうか。」

Monotype – Type Trends 2023.

スタイル別にまとめた、フリーフォント無敵リストから探してみてもよいでしょう。

参照元 : Read the Report : Type Trend 2023. – Monotype

クリエイティブ・トレンド2023 | Depositphotos

creative design trends 2023 from depositphotos

写真ストックサイトDepositPhotosのトレンド予想

  • ノスタルジックなアニメスタイル(Anime Thrill)
  • 旅やアウトドア、キャンプなどをテーマにした、自然スタイル(Back to the Wild)
  • 年齢の関係ない健やかさ(A Wonderful Age)
  • 幻想的な風景(Ethereal World)
  • サスティナブルスタイル(リサイクル、代替燃料、サスティナブルビジネス)(Eye on Sustainability)
  • 瞑想、ヨガ、静寂、ARビジネス、メタバース(Wellness Upgrade)
  • 喜びの爆発(trendy people, eclectic ornament, chic, floral arrangement)(A Blast of Joy)

日常が変化しそうなブランドや、頑張ろうという気持ちにさせるブランドとの関わりが楽しみ。

2023年には、クリエイティブな体験やアプローチ、XRテクノロジー、より複雑なAIテクノロジーを駆使したコンテンツづくりが重要になるでしょう。

参照元 : Creative Trends 2023 Annual Project | DepositPhotos

カラー・トレンド2023 | 99designs

COLOR-design-trends-2023

99designsのトレンド予想

  • 70年代カラー配色
  • 酸性な色合い
  • 銀クロム
  • 鮮やかな「ハッピー」カラー
  • 悪趣味だけど魅力的「ミレニアル・キッチュ」
  • あたたかい「地中海」カラー
  • ダーク系SFカラー
  • 色彩を落としたアースカラー
  • 2023年の流行カラー「ビバ・マゼンタ」

2023年のカラートレンドは、現在の世界情勢に大きく影響されています。

インフレや戦争、気候変動が叫ばれるいま、逃避や怒りといった、ネガティブな色合いで表現されても、もはや不思議ではありません。

ノスタルジックで落ち着きのあるカラーパレットと、荒廃的なディストピアのようなダーク系の配色に、二分されることが予想されます。

落ち着いたポジティブな配色は、現実からの逃避行や楽観的、ダーク系は、現在の政治や経済の状況に向き合っているよう。

まさに、光と影。

2023年の流行カラー「ビバ・マゼンタ」も、しっかりランクイン。

カラーパレットや色選びには、用途別の便利な配色ツールを活用しましょう。

参照元 : 9 brilliant color trends for 2023

パッケージデザイン・トレンド2023 | Adobe Stock

Packaging-design-trends-2023

99designsのトレンド予想

  1. パンチの効いた配色のイラスト
  2. 手触りの良いテクスチャ、質感
  3. 包み込むようなパターン
  4. タイポグラフィーの落書き
  5. 商品連動マスコットの豊富なバリエーション
  6. にぎやかな色彩
  7. 漫画のようなかわいさ
  8. ひねりの効いたプロダクトビジュアル
  9. ステッカーブックの美学
  10. 70年代ヴィンテージ
2023年のパッケージデザインのトレンドを3分にまとめた動画

他のデザイントレンド同様に、世界的な気候変動や緊張感のある現状が、反映されたトレンドに。

かわいくて懐かしい、ノスタルジックな現実逃避イラストや、鮮やかでポップ、楽観的で、安心感のある色合いが特長。

さまざまなテイストが紹介されていますが、共通するのは遊び心のある、明るく楽しい雰囲気であるということ。

参照元 : 10 best packaging design trends for 2023 | 99designs

グラフィックデザイントレンド | Will Paterson

design-trends-2023-by-will-patterson

Will Patersonのトレンド予想

  • VR(バーチャル・リアリティ)
  • ビンテージ・ミニマル
  • ローポリ・リアリズム
  • 90年代レトロ
  • AIデザイン
https://www.youtube.com/watch?v=09xntNW45lg
25秒でわかる、アドビストックのトレンド予想2023年版

人気YouTubeデザイナー(@willpatersondesign)による、2023年のグラフィックデザイントレンド。

最近よく見かける、控えめの配色に、巨大なセリフ書体をあわせた「ビンテージ・ミニマル」。

はっきりとしたコントラスで、懐かしいノスタルジックな90年代レトロが、さらに人気になると予想。

さまざまな大手企業がブランディングで活用している点にも注目。

参照元 : 5 MASSIVE Graphic Design Trends in 2023? 🧐

この他の参考にしたトレンドリスト

Graphic Design Trends – 2023 by Daryna Sharpata

  • AIイラストレーション
  • サイケデリック・アート
  • 3Dアート
  • ヴィンテージ・ラインアート
  • シンプルな幾何学模様

Top Web Design Trends 2023 by DesignModo

  • インタラクティブWebサイト
  • デザインの一部としてのウェブサイト
  • デジタル・マキシリズム
  • 90年代とY2Kスタイル
  • クレイ・モーフィズム
  • 明るい色彩と淡いパステル調グラデーション
  • クリエイティブ・SNSプロフィール
  • タイポグラフィー
  • 包括性

10 Innovative Graphic Design Trends you need to know about by Shantanu Kumar

  • ネオ・ポップ
  • アンチデザイン
  • マキシマリズム
  • グラスモーフィズム
  • 歪みエフェクト
  • ホログラフィック
  • ブルータリズム
  • タイポグラフィーによるポスター
  • レトロ・フューチャー
  • Y2K

12 Graphic Design Trends For 2023: The Visual Euphoria by The Designest

  • クレイ・3Dキャラクター
  • サンセリフ書体の復活
  • 深い、リッチな配色
  • ミニマル・ビンテージ
  • 高度なマイクロインタラクション
  • 歪みフォント
  • レトロ漫画スタイル
  • ラインアートとフラットイラスト
  • ストーリーテリング
  • タイポグラフィーの美学
  • 自然のナチュラル・バイブス
  • SF未来派

調査から見えた今後取り入れたい5つのポイント

(調査から見えた今後取り入れたい5つのポイント)

  • レトロ、ビンテージ人気は今後も継続
  • 環境を考える、サスティナブルでSDGsを組み合わせる
  • 親しみやすいエンタメ、見るひとの心を癒すコンテンツをつくる
  • アウトドアなど、自然をテーマにした「アースカラー」は注目する
  • おしゃれなセリフ書体は押さえておこう

(1)レトロ、ビンテージ人気は今後も継続

ノスタルジックで、どこか懐かしいレトロスタイルを取り入れよう。

ウェブデザインやグラフィックだけでなく、日常生活でもよく見かける人気スタイルだからです。

実際に、多くの世界的な企業が、レトロやY2Kといった、90年代風スタイルを取り入れています。

Example by Facu Montanaro for basement.studio
ノスタルジックなレトロ、90年代スタイルの人気は継続

ただし、なんでもかんでもレトロスタイルにすれば良い、というわけではありません。

レトロ、ヴィンテージスタイルを作成するために、事前に計画を立てましょう。

(2)環境を考える、サスティナブルでSDGsを組み合わせる

環境を考えた、サスティナブルなコンセプトやアイデアと組み合わせよう。

SDGsな考え方は、日本だけでなく、世界中で浸透してきているのが理由です。

ユーザーの注目度の高いジャンルをコンセプトにすることで、効果的にユーザーの興味を引きつけるデザインを作成できます。

(3)親しみやすいエンタメ、見るひとの心を癒すコンテンツをつくる

親しみやすいエンタメ、見るひとの心を癒やすコンテンツをつくろう。

日常のストレスから逃避行できる体験を、ユーザーは求めているから。

Microsoft Whiteboard Load Screen
親しみやすさが2023年のデザイントレンドの鍵

実際にブランディングとして、物語を読むようにコンテンツが進む、「ストーリーテリング」手法は、Webサイトなどでは積極的に採用されています。

ユーザーに寄り添った、エンタメ性の高い癒やしコンテンツに取り組みましょう。

(4)アウトドアなど、自然をテーマにした「アースカラー」に注目する

キャンプやアウトドアなど、自然をテーマにした「アースカラー」に注目しよう。

パンデミックやステイホームの影響や、世界的な不安定な情勢もかさなり、自然を恋しく思う人が増えているからです。

実際に、アースカラーは注目の配色カラートレンドでも選出されています。

人々がほっと落ち着く、そんなやさしい雰囲気をアースカラーで表現してみましょう。

(5)おしゃれなセリフ書体は押さえておこう

入力するだけでおしゃれな、セリフ書体を活用しよう。

特に90年代レトロスタイルでは、セリフ書体がデザインの要とも言えるから。

Example by Sans & Sons
洗練されたスタイリッシュな雰囲気のセリフ書体たち

デザイントレンドを見返してみると、数多くのセリフ書体が使われています。

フォント選びにまよったときは、おしゃれなセリフ書体一覧リストに目を通すようにしましょう。

まとめ

この記事では、クリエイティブな業種で特に話題となっている、13のデザイントレンドレポートを調査し、ご紹介しました。

レポートによって予想もばらばらで、日本向けのデザインには適していないように思うかもしれません。

ただ、デザイントレンドをこのように使う、という正解はないと言えるでしょう。

正解は、ユーザー一人ひとりが持っているからです。

ぜひこの記事の内容を参考にして、今後のプロジェクトの成果につなげるために役立ててみましょう。