海外サイト 99designs で公開された 8 brilliant color trends for 2021 より許可をもらい、翻訳転載しています。
この記事では、2021年に注目されている配色の動向やトレンドを、8個のポイントに分けて詳しく紹介しています。
2019年、次に人気となる配色は、未来的なデザインで、明るく大胆な色使いだと考えていました。
しかし、2020年に入り、新型コロナウイルスの世界的大流行が起こります。そして、すべてが変わりました。
2021年に注目されている配色の動向としては、落ち着いたリラックスした気持ちにさせる色がほとんどでしょう。ネオンや派手な色の代わりに、よりソフトで、人間らしさを感じる色が選ばれています。
調和のとれた配色を考えてみましょう。これこそが、2021年のカラートレンドです。
たとえば、単色デザインや淡いパステルカラー、自然を題材にしたアースカラー、他の色の混ぜやすいカラーパレットなどがその代表です。
では、2021年に要注目の配色、カラーパレットの人気トレンドを詳しく見ていきましょう。
- 1. 彩度超高め、美味しそうな色
- 2. 人間の肌の色
- 3. 調和のとれた類似色カラーパレット
- 4. アッと驚くシュールな配色
- 5. モノクロ配色プラス1
- 6. 目にやさしい落ち着いた配色
- 7. 使い古した、色あせた配色
- 8. オーガニックな形のカラーブロッキング
01. 彩度超高め、美味しそうな色Super-saturated, juicy colors
2021年に注目されている配色の動向のひとつが、鮮やかでジューシーな色と、パステルカラー中心の淡い色の背景の組み合わせです。使われている色をよりポップに魅せることができます。
via Brand identity design by Shwin
今年のような厳しい年になると、ポジティブな気持ちになりたいひとが増えるため、デザイナーはいま必要とされている陽気で、いきいきとしたマゼンタ、オレンジ、サンゴ色などの配色を利用しています。
ジューシーで高級感のあるこれらの色は、若返ったような高揚感を与えてくれます。暖かくても暑すぎない。爽やかでありながら、控えめで主張しすぎないのが特長。
そして、淡いパステルピンクとクリームホワイト色との組み合わせが、より魅力的なコントラストを生み出しています。このトレンドでの淡い色の背景は、もっとも注目を集めるフォーカル・ポイントと同じくらい重要で、デザインをポップにする役割も。

via Julia Wolf
via kostis Pavlou
02. 人間の肌の色Human skin tones
2021年に話題となる次のトレンドが、人間の肌の色の美しさにフォーカスした配色カラーパレットです。
より人間味のあるデザインが増え、肌色やヌード色などと呼ばれる、オーガニックでナチュラル配色が人気となるでしょう。2021年には、あらゆる肌の色をモチーフにしたデザインが登場し、一人以上の人物に焦点を当てている点もポイント。
via Natalia Demidova via Behance
03. 調和のとれた類似色カラーパレットHarmonious, analogous palettes
2021年は、統一感や一体感のある快適さを求めるようになり、より調和のとれた配色が、カラートレンドにも反映されていくでしょう。
今後は、似た色を合わせた類似色(英: Analogous)カラーパレット、つまり互いに溶け込みやすい、親和性の高い配色に注目です。

via Jelena M.

via Spoon Lancer
トレンドは時間の経過とともに変化します。数年前から人気のグラデーションカラーは、類似色をつかった新しい配色へと変わってきています。
いくつかの配色は同じ色合いの配色で構成されている一方で、カラーホイールに隣同士に配置された色の組み合わせも有効なテクニック。
どちらもグラデーションのような効果がありますが、グラデーションほど滑らなかな色の変化はないのが特長。

via Jammy Ginger

via casign
04. アッと驚くシュールな配色Surreal and expressionist color
先述の調和のとれた快適な色をつかったトレンドに加えて、予想外の色をつかって夢のようなイメージ、雰囲気を作り出す、シュールな方法も2021年に多く見られるようになるでしょう。
via _Ossobuko_
通常ではあまり利用しない色をつかって、オブジェクトをペイント、着色することで、新しいメッセージを主張できる点がポイント。
遊び心を持って、厳しい現実をあえて忘れさせてくれる、現実逃避のようなデザインに挑戦してみましょう。

via woodenspace

via Barrios1
05. モノクロ配色プラス1Monochorme plus one
単色づかいのモノクロ配色カラーパレットは、特に新しいトレンドではなく、2020年注目の配色トレンドでも取り上げています。
しかし、これまでのモノクロ配色カラーパレットは奥行き感とヴィジュアル力アップのために、同系色のシェードを利用していました。2021年版は、同じ効果を生み出すために、単一のグレースケールのデザインに単一のコントラストを利用しています。
表現力のあるダイナミックなシェードを追加することで、カラフルになりすぎず、デザインに色を加えることができます。また同時に、シンプルさを保つモダンな方法でもあります。
06. 目にやさしい落ち着いた配色Soothing colors that are easy on the eyes
この1年間は、いつも以上に自宅で過ごすことが多く、同時にパソコンのスクリーン画面を見るのに多くの時間を費やした年でもありました。ソーシャルディスタンスを考えた、オンラインでの会議やミーティングなどもそのひとつです。
2021年には、目にやさしい色がトレンドとなり、快適さを追求したデザインが増えることが予想されます。繊細でシンプルなデザインと、クールでナチュラルな配色によって、長時間のパソコン作業による目の疲れを軽減します。

via Nicole Delger

via ozonestyle
07. 使い古した、色あせた配色Worn & faded-looking colors
2021年に注目したいカラートレンドのもうひとつが、生活感のある色です。具体的には使い古したお気に入りのジーンズを連想してみましょう。長いあいだ着用したことで、色あせているかもしれません。これこそが、このトレンドの配色です。
via nevergohungry
デザインのテクニックとしては、ラフで擦り切れた質感のテクスチャを使用することで、長期間使用した風合いを演出できます。
via Chrisb Marquez via Behance

via airdesigns24

via esuwa
via Simon Stratford via Behance
08. オーガニックな形のカラーブロッキングParalla
オーガニックで無造作な形を重ねたカラーブロッキングは、配色のトレンドではなく、パッケージデザインの人気トレンドのひとつになると予想されています。
via monostudio
2021年のカラーブロッキングの特長は、ラフで不完全な形に、質感のある補色として一緒に利用されるデザインです。

via monostudio

via JianBranding™
2021年の準備はできていますか。Are You Ready for 2021?
いかがでしたでしょう。2021年は、より人間味のある目にやさしい配色が注目されています。
世界中で猛威をふるっているコロナウイルスはもちろん、さまざまなデザインの動向が、配色のトレンドに影響を与えているように思います。
今回紹介した人間味のある配色を、今後のデザインプロジェクトに活用してみてはいかがでしょう。
配色に困ったときは、便利なオンラインツールを活用してみると良いでしょう。