先日フロリダで開催されたAdobe MAXで、待望のPhotoshop最新アップデートが発表されました。
このアップデートには、話題の『不要な要素の削除』機能をはじめ、生成AIがもたらす驚異的な進化が詰まっています。
さらに、Photoshopベータ版で話題となった機能がついに一般ユーザー向けに登場。
この記事では、作業効率が飛躍的に向上する、注目の新機能7つを詳しくご紹介します。
注目したい新機能は7つ
前回のアップデートからおよそ3か月ぶりとなったPhotoshop v26(2024年10月リリース)において、新しく追加や強化された主な機能が以下の通り。
最新バージョンPhotoshop V26ではどんなことができるのか、詳しく見ていきましょう。
- フォトショップで3Dデザインが可能に
- 「不要な要素の削除」でなんでも消せる
- 削除ツールが爆速アップグレード
- 生成AI Fireflyモデル3に進化
- 類似を生成&ディテールを向上
- 背景の生成もワンクリックで簡単
- 新ツール「生成ワークスペース」が登場
フォトショップで3Dデザインが可能に
Photoshopベータ版では、ドラッグ&ドロップで3Dデザインを「ある程度まで」修正することができるようになりました。
お好みの3Dオブジェクト(.objファイル形式)をドラッグで配置してみます。
なんの問題もなくファイルを開くことができました。
今回利用したobjファイルは、ここから無料ダウンロードできます。
3Dオブジェクトを編集したいときは、プロパティパネルより「コンテンツを編集」をクリック。
または、3Dオブジェクトを配置したレイヤーのサムネイルをダブルクリックでも可能です。
クリックすると、「Substance 3D Viewer (Beta)」というAdobeの新しいプログラムが開きます。
このプログラムを利用するには、Creative Cloudアプリよりあらかじめダウンロードしておく必要があります。
ただし、このプログラムは期間限定で無料利用でき、Photoshopのメインバージョンに組み込まれるかは今後リリースされる予定となっています。
サイズを変更できるのはもちろん、マウスを右クリックしながら動かせば、自由自在に向きやアングルを変更することができる、スゴすぎる機能が。
さまざまな質感を表現した「マテリアル」を適用することも可能です。
3Dオブジェクトの一部をクリックで選択したら、「マテリアルプリセット」を開きましょう。
たとえば、車を金ぴかにしたければ、「メタル: Gold」をクリックするだけ。
背景の色を変更することも可能で、さらにリアルさを表現できる「ライトプリセット」3種類も用意されています。
それぞれのプリセットを比較した様子がこちら。お好みに合わせて使い分けると良さそうです。
選択したライトプリセットはお好みの「明るさ」や、光の当たり具合に調整できる「回転」でカスタマイズもできます。
リアル感を演出できるのが、この「グランドプレーン」。
「グランドプレーンを有効にする」にチェックを入れると、本物そっくりの影が追加されます。
ダメ押しの「レイトレーシング」機能をクリックで有効化します。
この機能によって、ライトやシャドウ、透明度をより正確にレンダリングでき、まるで実物のようなピカピカに輝く車を3Dで作成することができます。
「レイトレーシング」機能をオンにすると利用できるのが、まるで鏡に映っているような反射。
反射の不透明度と、反射の粗さを調整したら3Dオブジェクトの編集は終了です。
画面右上にある「Photoshopに送信」ボタンをクリックすれば、いつものフォトショップ画面に戻ります。
完成したのがこちら。
フォトショップだけで、ここまでの3Dデザインを編集できる時代がやってきました。
なんでも消せる「不要な要素の削除」
これまではベータ版のみ利用可能で、人気の高かった削除ツールの「不要な要素の削除」機能が、ついにメイン版Photoshopに実装されました。
まずは実際に削除ツールの新機能を使ったビフォーアフター例から。
見事に電線のみを消すことができているのが分かります。
電線だけでなく、写真に写り込んでしまった通行人も、ワンクリックで消すことができるようになりました。
まずはビフォーとなる画像がこちら。
すべての人を手作業で消していくとなると、時間もかかりそう。
「削除ツールJ」の「不要な物の削除」には、生成AIが組み込まれており、利用するかどうかを選択できます。
「自動」に設定おけば、フォトショップが生成AIを利用するか自動で判断してくれるのでオススメ。
各モードごとに仕上がりにどのような違いがあるのか比較してみたところ、明らかな違いが。
生成AIをオフにすると、不自然な仕上がりになっているのが分かります。生成AIはオンにしておくのが良さそう。
「不要な要素の削除」をさまざまなシチュエーション別に適用した様子をまとめた以下の記事も参考にしてみると良いでしょう。
削除ツールが爆速にパワーアップ
「不要な要素の削除」だけでも十分なアップデートですが、削除ツールもパワフルで、爆速になっています。
以下は、「削除ツールJ」をつかって東京タワーを丸で囲んだだけですが、この結果。
パッと見るだけでは、どこを加工しているのか分からないレベルです。
生成AIが組み込まれたことで、「選択ツールで選択範囲を指定し、生成AIで塗りつぶす」という従来の作業が、ワンクリックでできるようになっています。
実際の削除ツールを使っている様子がこちら。早送りではなく、この速度で消せるのだからオドロキです。
生成AI「Firefly」モデル3に進化
生成AI「Firefly」も、最新版モデル3にアップデート完了です。
ベータ版に搭載されていた機能のひとつで、これまではFirefly モデル1が採用されていました。
ここでは、実際に仕上がりにどのような変化があるのか、同じプロンプトを使い、それぞれのモデルを比較してみます。
「なげなわツールL」などお好きなツールで、目のあたりを選択範囲で指定します。
プロンプトには「サングラス」とだけ入力して、生成ボタンをクリック。
左がPhotoshop 2024で実装されていたFireflyモデル1。右が最新版PhotoshopV26のFireflyモデル3。
よく見ると、旧式モデルでは眼鏡をかける部分に不要なパーツがあったりと、やや不自然。
一方、最新モデルでは、新しいモデルの方がサングラスへの光の当たり方など、より自然な仕上がりとなっています。
類似を生成&ディテールを向上
生成AI「Firefly」が最新版にアップデートされたことで生成塗りつぶしのクオリティーも改善されています。
たとえば、体全体を選択ツールで囲み、「スーツ」とだけ入力し、生成塗りつぶしを行います。
「気に入ったバリエーションに似た画像をもっと生成したい」。
そんなときは「類似を生成」をクリックすれば、3つのバリエーションが新たに生成されます。
さいごにサムネイル右上にある「ディテールを向上」をクリックすれば、画像をくっきりシャープな見た目に仕上げることができます。
背景の生成も自由自在
最新版のPhotoshopでは、背景の削除がよりシンプルで、簡単になっています。
画像を開いたら、コンテキストタスクバーの「背景の削除」ボタンをクリックするだけ。
ワンクリックで背景が切り抜かれた画像がこちら。十分すぎるほど、きれいに切り抜かれているのが分かります。
続けて、コンテキストタスクバーより「背景を生成」をクリックし、お好みのプロンプトを入力して「生成」ボタンをクリック。
ここでは「湖のほとり」と、ささっと入力。
生成された画像のバリエーションがこちら。
これで背景と被写体がそれぞれ別のレイヤーに配置されました。
ここでは、もうワンステップ手を加えてみます。
被写体レイヤーを非表示にし、背景レイヤーを選択。被写体の周りに少しだけスペースを持たせながら、選択範囲で囲みましょう。
さいごに「生成塗りつぶし」をクリック。
背景全体を生成することができるため、被写体を自由な位置に移動できるのが最大の強みと言えるでしょう。
生成ワークスペース
新しく追加された生成AI向け機能が、「生成ワークスペース」です。
メインメニューより「編集」>「生成ワークスペース」より、全く新しいダイアログボックスを表示できます。現時点では英語のみ。
このツールを使うと、生成したすべての画像とプロンプトをまとめて確認できるのが特長です。
「Rerun」ボタンで再生成することも可能。お気に入りに追加したり、先ほど紹介した類似画像の生成や、仕上げのディテールの向上にもばっちり対応しています。
複数のプロンプトを同時に生成できる「Add Variable」を使えば、指定したキーワード別に画像を生成することも可能です。
やり方はいたってシンプル、生成したいキーワードを[]で囲んでプロンプトを入力するだけ。
たとえば、ここでは「[犬, 子猫, 少年]が、[ビーチ、ヨガスタジオ、クリスマスツリー前]でヨガをしている」と複数のバリエーションを追加。
合計36枚の画像を同時に生成しています。
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参考文献・記事
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