今からおよそ140年ほど前の明治時代。
もともと海外への輸出用に作成、花火の種類をイラスト毎にわかりやすくまとめた「平山煙火カタログ」をデジタルアーカイブ化。横浜市立図書館のホームページより、PDFファイルとして無料ダウンロードできます。
日本の浮世絵のようなイラストとアルファベットを組み合わせた、エキゾチックなイラストが特長で、空に広がる花火の一瞬を見事に捉えています。
このカタログを作成していたのは、横浜の平山煙火製造所。日本に特許制度がスタートする前にアメリカで特許を取得し、海外向けに花火の販売、輸出をはじめた平山甚太(ひらやま じんた)の会社だったそう。
当時、花火は日中に打ち上げる昼花火と、夜に打ち上げる夜花火の2種類があり、昼花火は爆発すると、和紙でできた袋物と呼ばれる人形が、空からゆらゆら漂うというもの。
金魚や鶴、七福神や相撲取りなど日本テイストのものから、貴婦人や鼻の高い西洋人などの海外向けまで、驚きと充実のセレクション。海外で人気になるのも納得です。
公開されている平山煙火カタログには、夜花火バージョンも残っており、夜空の黒を背景に、花火の輝きを見事に捉えたシンプルなイラストデザインが特長。製品番号も一緒にプリントされるなど、現代のカタログと変わらないつくり。
花火の打ち上げ方を記載した貴重なイラストなんかもありました。まさに現代の取り扱い説明書と変わりません。
各PDFファイルは、横浜市立図書館のホームページよりダウンロードできます。
世界中のさまざまな美術館や研究機関などが保有する作品を、デジタル・アーカイブ化しパブリックドメインとして無料公開する動きが活発になっています。
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