AIアート生成Midjourney(ミッドジャーニー)がV5.1に | アニメ特化Nijiモードも追加

神絵を描くAI画像生成ツール」と話題の、MidJourney(ミッドジャーニー)が主要アップデートを行い、最新版V5.1をリリースしました。

ほんの数ヶ月前にミッドジャーニーの基本の使い方を紹介してから、追いつくのが大変なほどのアップデートが行われ、新機能が追加されています。

この記事では、 新しく追加された機能や注目ポイントについて、詳しくまとめてご紹介します。

MidJourney V5.1の新機能

プロンプト入力しやすくなった

最近リリースされたMidjourney V5.1は、より主観的な画像生成を行うことができるようになりました。

つまり、より少ない文脈のプロンプトを入力するだけで、Midjourneyが画像に関する追加情報を、自動で補完してくれます。

Midjourney v5.1で生成された画像
よりリアル感を演出できるMidjourney V5.1モデル

またMidjourney 5では、学校で習うような英文、英作文を意識したプロンプト入力が必要でしたが、V5.1では短いキーワードを使用しても、うまく画像生成ができるようになっています。

もし以前のバージョン(V3やV4など)が利用したい場合は、/settingsでV5以外を選択するか、V5.1で新しく登場した「RAWモード(–style raw)」を追加することで、従来の画像生成を行うことができます。(後ほど解説)

従来バージョンと最新V5.1の違い

では実際に、従来のバージョンと最新V5.1の違いを比較してみましょう。

V5.1で画像を生成するには、MidjourneyのDiscordサーバーに接続するか、自分のDiscordサーバー内で作成する、2通りがあります。

アクセス過多で無料プランが廃止されているいま、Midjourneyに直接DMを送信する方法が、もっともシンプル。

V5.1を適用するには、以下を入力しましょう。

/settings
設定をv5.1に変更することで適用されます
MJ verson 5.1を選択することで、いつでもV5.1が適用されるようになる

試しに以下のプロンプトを入力し、新旧バージョンで生成される画像を比較してみます。

A psychadelic lion in a colorful wonderland
(カラフルなおとぎの国のサイケデリックなライオン)

できるだけ同じ条件で比較するために、プロンプトの最後にパラメータ「–seed」を加えて画像生成しています。

--seed 3892083476

V5.1で生成された画像がこちら。

Midjourney v5.1で生成した画像
Midjourney v5.1で生成した画像

V5で生成された画像がこちら。

Midjourney v5で生成した画像
Midjourney v5で生成した画像

完成した画像を比較してみると、どちらも美しい構図と色合いで表現されており、ニュアンスの違いで好き嫌いがあるかも。

RAWモードとの違い

V5.1で新しく追加されたRawモードも、同じプロンプトで試してみます。

プロンプトの最後に以下パラメータを追加すれば、Rawモードを適用可能。

--style raw

V5.1のRAWモードで生成された画像がこちら。

V5.1に比べて、細部のディテールが簡素化された印象ですが、どれも魅力的な画像に仕上げることができました。

RAWモードで生成された画像
Midjourney v5.1で生成した画像

Midjourney V5.1と従来バージョンとの違いをさらに比較する前に、プロンプト入力をスピードアップする時短テクニックを見ていきましょう。

画像生成の時短テクニック

プロンプトの順列(Permutation)

プロンプトの順番(Permutation Prompts)を使用すると、1つの/imagineコマンドをつかって、複数のプロンプトのバリエーションを素早く生成することができます。

「,(カンマ)」で区切られたオプションのリストを「{}(中括弧)」で囲むことで、異なる複数のバージョンのプロンプトを作成できます。

たとえば、以下のようにプロンプトを入力すると・・・

/imagine prompt a {red, green, yellow} bird

たったこれだけで、3つのプロンプトを自動で生成できるようになります。

/imagine prompt a red bird - 「赤い」鳥
/imagine prompt a green bird - 「緑の」鳥
/imagine prompt a yellow bird - 「黄色の」鳥

果物の名前(パイナップル、ブルーベリー、ランブータン、バナナ)を以下のように並べることで、4つのプロンプトの生成を同時に行うことができます。

a naturalist illustration of a {pineapple, blueberry, rambutan, banana} bird
Permutation Promptsを利用すれば、同時に複数の画像生成を行うことができる
4つの異なるくだものを描いたイラストを、たった1回のプロンプト入力で生成できた

異なる縦横比(Aspect Ratio)を設定し、画像を生成することも可能です。

a naturalist illustration of a fruit salad bird --ar {3:2, 1:1, 2:3, 1:2}
複数の縦横比サイズを指定した様子
異なる縦横比サイズで、同じイラストを生成することもできる

また、Midjouneyの異なるバージョンでそれぞれ画像を生成する、なんて便利な使い方も。

a naturalist illustration of a fruit salad bird --{v 5, niji, test}
Midjourneyのバージョン違いで画像の生成を行う様子
Midjourneyのバージョン違いで、それぞれ画像を生成した様子

先ほどバージョンごとに比較した3つの画像を、1つのプロンプト入力で生成することが可能になり、時間短縮にも便利です。

A psychadelic lion in a colorful wonderland {--v 5, --v5.1, --v5.1 --style raw}

👉 Permutation Prompts – Midjourney Doc

ショートコードの作成

ショートコードを作成すれば、画像生成でよく利用するプロンプトをひとまとめにできます。

特にリアルな情景を描きたいときは、多くのキーワードをプロンプトに入力する必要があります。

たとえば 「街角に佇む女性(A woman on a city sidewalk)」としたとき、「realistic, wide-angle lens, f1.4, camera shot」などのキーワードを加えることで、よりリアルな仕上がりで画像を生成できます。

特別なプロンプトなしで生成した状態
「ショートコードなし」で生成した画像。ややイラスト感の残った仕上がり

しかし毎回このプロンプトを入力するのは時間もかかるため、ショートコードにしてしまいましょう。

まずは以下を入力します。

/prefer option set

「option」にお好みのショートコード名を入力(ここでは「cam」)し、次に「他1」をクリックし、「value」をふたたびクリック。

「value」には、登録しておきたいキーワードを入力(ここでは「realistic, wide-angle lens, f1.4, camera shot」)します。

あとはいつも通りプロンプトを入力するだけ。「–〇〇」でoptionに入力したショートコード名を追加。

A woman on a city sidewalk --cam

このように入力すると、ショートコードが自動的に変換されます。

A woman on a city sidewalk, realistic, wide-angle lens, f1.4, camera shot

生成された画像がこちら。

ショートコードを使って画像生成した例
「ショートコードあり」、追加したキーワードでよりリアルな仕上がり

👉 Settings and Presets – Midjourney Doc

Nijiスタイル

アニメスタイルに特化したNijiモード

Mjdjournyに新しく追加されたもうひとつの機能が、新しい「NIJIモード」です。

nijiモード 5が追加された
「/settings」より「Niji version 5」を選択すると利用できる

Nijiモデルは、MidjourneyとSpellbrushのコラボレーションで、アニメやイラストのスタイルを生み出すためにチューニングされたモデル。

アニメスタイルを重視しており、ダイナミックな構図やアクションショット、キャラクターを中心とした構図全般に向いています。

nijiモードで生成した画像の例
woman, cyborg, hd」(女性・サイボーグ・HD)という3つのキーワードのみで生成

Nijiモード対応スタイル

Nijiモデルには、利用できるスタイルが以下の3つ。

  • –style cute
  • –style expressive
  • –style scenic

先ほどのプロンプトの順列(Permutation)を活用し、3つのスタイルをまとめて生成してみます。入力したプロンプトは以下の通り。

schoolgirls enjoying a buffet --style {cute, expressive, scenic}
- ビュッフェをたのしむ女子学生たち

「Show Prompts」をクリックすると、生成される3つのプロンプトを個別に確認できます。良ければ「Yes」で、画像生成がスタート。

プロンプト入力一度のみで、3つの画像を生成できた

実際に生成された3つのスタイルがこちら。

イラストのかわいさを強調したスタイル「Cute

Nijiモードでスタイル「Cute」を選択した様子
スタイル「Cute」

表情豊かなイラストが特長のスタイル「Expressive

Nijiモードでスタイル「Expressive」を選択した様子
スタイル「Expressive」

風景の美しさを強調した、映画のようなスタイル「Scenic

Nijiモードでスタイル「Scenic」を選択した様子
スタイル「Scenic」

👉 Version – Midjourney Doc

/describeの使い方

「/describe」コマンドを使用すると、アップロードした画像をMidjourneyが分析し、4つの文字プロンプトを生成できます。

ここでは以下の画像で試してみます。

describe featureを試してみる
/describe機能を試してみるビフォー画像

「/describe」と入力すると、画像をアップロードできるボックスが表示されるので、ドラッグ&ドロップで画像をアップし、Enterキーをクリック。

midjourney describe feature
画像をドラッグ&ドロップでアップロードしたら待つだけ

生成された4つのプロンプトがこちら。

生成されたプロンプト4つがこちら
Describe機能で自動生成されたプロンプト

提案されたプロンプトで生成した画像が以下の通り。どれも元の画像に似た構図やスタイルとなっているのが分かります。

どのようなキーワードが使用されているのか確認することで、よりイメージに近い画像を生成する手助けにもなってくれるでしょう。

👉 Describe – Midjourney Doc

禁止ワードの改善

プロンプトの中には、入力できない禁止ワードがあり、入力しようとしてもブロックされてしまうことが、今までは多くありました。

V5.1にアップデートしたことで、より文脈を理解したプロンプトを生成できるようになり、ブロックされるキーワードの数も改善されています。

たとえば「Booby」というワードは、本来「カツオドリ」という意味ですが、英語の俗語で「ばか者」を指すことから、プロンプトでの利用が禁止されていました。

しかし、文脈を理解できるようになったことで、以下のようなプロンプトも入力できるように。

a blue footed booby
- 青い足のカツオドリ

生成された画像がこちら。

禁止ワードが入っていても文脈を把握して画像を生成できるようになった
禁止ワード「Booby」と入力しても、文脈に沿って画像生成できるようになった

Midjourneyは今後どうなる?

この他にもMidjourneyでは、さまざまなアップデートが今後も予定されています。

  • MidJourney 6開発中 – よりリアルさとクオリティーが改善されたモデルになる予定
  • 手描きスケッチから画像生成できるようになる
  • 表情などが一致する、統一感のキャラクターの生成ができるようになる(要望リクエストがもっとも多い)
  • Discordを利用しない、新しいユーザーインターフェースの登場(10,000枚以上の画像生成したユーザーは、すでにアクセス可能)
  • 廃止したMidjourney無料プランがもうすぐ復活

Midjourneyをこれからはじめようというひとは、基本の使い方をまず参照するのがおすすめ。

📎 Midjourney(ミッドジャーニー)で思い通りに画像生成できる徹底ガイド

V4からV5へのアップデート注目ポイントもまとめています。

📎 神絵を描くAI「Midjourney(ミッドジャーニー) 」がV5にアップデート、注目ポイントまとめました

話題のChatGPTを併用すれば、誰でも魅力的なイラストを生成できるようになります。

📎 画像生成AI Midjourney(ミッドジャーニー)とChatGPTの組み合わせ最強説