何が変わった?Midjourney V6が登場 使いたくなる5つの新機能とは?

バージョン5.2から9ヶ月の開発期間を経て、Midjourney(ミッドジャーニー) V6(アルファ版)が2023年12月末にリリースされました。

しわやひだ、肌の質感などのディテールがより精巧に表現できるようになり、もはやリアルの写真と見分けがつかないレベルに突入しています。

Midjourney V6の新機能はずばり以下の5つ。

有料サブスクにリリース当初から課金するほどMidjourneyを愛する筆者が、実際に使ってみた感想と一緒にご紹介します。

Midjourney v6を有効にする方法

以下のプロンプトを使用して、Midjourneyの設定をvに切り替えておきます。

「使い方が分からない」というひとは、Midjourney基本ガイドをまず確認しておくと良いでしょう。

/settings
現在アルファ版として提供されているMidjourney v6

では、アップグレードされた新機能を見ていきましょう。

特徴1 より高い画像解像度

「AIで生成した画像と本物の写真の区別がつかない」そんな時代がまさに訪れているようです。

Midjourney v6の最大解像度は2048x2048pxで、現行モデルのv5.2のおよそ2倍となり、Webデザインにおいて高解像度と言えるレベルとなっています。

現在アルファ版として提供されているMidjourney v6
プロンプト: Still from Denis Villeneuve's film. Starfield game. Sarah shoots lizard - like creatures with a blaster. Hot day. desert planet with bushes.

生成した画像をClipDropなどのAI画像拡大ツールを使えば、最大16倍まで拡大することも可能なので、ポスターやちらしなどより幅広く活用できそうです。

また、より短いプロンプトでより正確に生成できるようになったのも、英語が苦手な人にはうれしいポイント。

以前は、英文法のように細かい描写や表現までプロンプトに追加する必要がありました。しかし、v6では思いつく英単語を並べるだけで、Midjourneyがそれっぽく仕上げてくれます。

さらに生成される画像のクオリティーが前バージョンに比べ、よりリアルな描写が可能です。

ただし現在アルファ版のため、入力するプロンプトにより敏感になっているようで、これまでより高品質な描写に必要だった「4K, 8K, Photo Realistic」などのキーワードは必要なり、--style rawをプロンプトに追加すれば十分な効果が得られるでしょう。

プロンプト: Stained glass, a beautiful girl, relaxed, portrait photograph, heterochromia, dreamy, prismatic image, chromatic aberration, pearlescent colors and reflections --style raw
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

結果はどちらも驚くほどリアルな画像を生成。しかし、左のv6の女性の詳細な描写に注目してみましょう。

肌のシワや照明の当たり方、髪や目の質感、そしてカメラの焦点の当たり具合など、驚くべきディテールで捉えています。

では、動物はどうでしょう?

プロンプト: Chihuahua puppies in an winter forest. golden hour time
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

英単語をいくつか並べただけのシンプルさで、詳細については指定していませんが、左の画像はよりリアルな子犬が表現されました。

光の当たり具合もうまく考慮され、まるで高級一眼レフカメラで撮影されたかのような、ぼかし効果さえも生み出しています。

食べものやフード系の画像生成はどうでしょう?

プロンプト: cheeseburger
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

試しに、「Cheeseburger(チーズバーガー)」という単語だけをプロンプトとして入力してみると、空腹時には飯テロになりそうなほど、食欲をそそられるシズル感たっぷりな画像が生成できました。

特筆すべきはインテリア関連の画像生成。

interior scene of a beautiful house by louis kahn
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

もともとインテリアとの相性が良かったMidjourneyですが、v6ではより「AIっぽさ」が排除された自然な仕上がり。

特徴2 文字テキストを追加可能に

Midjourneyにとって、文字テキストの描画はこれまで常に指摘されていた難題のひとつでした。

以前までのバージョンは、文字テキストのレンダリングは不可能で、いつも何が書かれているか理解できないというのが現状でした。

しかし、この問題は新バージョンで解決され、デザイナーにとって大きな安心材料となりそう。

プロンプト: crystal whishy bottle with "luxury" written on it 
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

Midjourney 5.2では何度か試してみましたが、うまくいきませんでした。一方、v6は一発で指定した文字テキストを画像に追加できました。

もちろん、たまに間違ったミススペルもしますし、人間による確認は必要。また現在は英語のみで、日本語は未対応というのが残念。

日本語に対応したら、デザインツールとしてもすごいことになりそう。

もうひとつ試してみます。

プロンプト: A small cosy restaurant in Amsterdam. There are flowers around the entrance door and tables nearby. The restaurant has a big “Coffeeshop” sign. Night time. 
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

v5.2で何度か試しましたが、またもうまくいきません。Midjourney v6では、一発で雰囲気たっぷりな画像を生成できました。

ロゴデザイン向けプロンプトを組み合わせれば、思い通りのロゴマーク作成にも役立ちますし、文字テキストを追加できることで、Web制作向けプロンプトの利用も実用的でしょう。

プロンプト: there are golden butterflies on the sparkling white water. Sparkling, glowing, clear water ripples, shiny, dreamy, halo, clean background, texture

特徴3 手や指がリアルに

これも今まで多くのクリエイターを悩ませてきた、大きな課題のひとつでした。

これまでのMidjourneyでは、指が5本以上あるなど不自然なケースが頻発していましたが、v6ではついにこの問題をクリア。

見事にリアルな指や手を表現できるようになりました。

Elegant female hands in close-up. Neat manicure in a nude color. On the ring finger, a silver ring with a big diamond stones around it
左: Midjourney v6 右: Midjourney 5.2

正直なところ、Midjourney v5.2でも数回に一度は5本指をうまく生成できましたが、それより前の話バージョンでは7本や8本の指が出てくるのもちらほら。

特徴4 新しいアップスケール機能

アップスケール機能はこれまでとは仕様が変わり、新たに2つの高性能オプション「Upscale Subtle」と「Upscale Creative」が追加されました。

「Upscale Subtle」は、基本的に同じ写真を維持しながら、より高い解像度で生成します。

「Upscale Creative」は、同じアイデアと色を維持しながら、異なるポーズやヴィジュアルを提供、まさに”クリエイティブ”な仕上がりが特長。

A woman’s look in the rearview mirror in a car. Only the eyes are visible. The photo conveys calm
左からオリジナル画像、「Subtle Creative」画像、「Upscale Creative」画像

「Upscale Subtle」と元の写真では、ほとんど違いはありません。しかし2倍の画質になったことで、しわやしみはすっきり改善されています。

「Upsacle Creative」との差はより明らかで、肌の赤みも抑え肌質が改善され、まつ毛もよりしっかりした印象。まるでプロの写真家が編集したような仕上がりに。

特徴5 改善されたリアルな質感

Midjourney v6では、細部のディテールがより強化されたことで、Webサイトやプレゼンテーション、グラフィックデザインの背景テクスチャなどに使える”デザイン素材”も作成可能です。

プロンプトを入力するだけで目的のテクスチャ素材を手に入れることができるということは、高画質で魅力的な無料テクスチャ素材が今後もっと増えてくるかもしれません。

ストックフォト素材をダウンロードする必要がなくなるのでは?と感じるほど、個人的に驚かされた新機能。

watercolor art style, texture resembling gold with fluid acrylic technique, comfy summer hues

Midjourneyの進化は止まらない

ほんの1年ほど前まで考えられないレベルで、まるで本物ような画像のAI生成が可能になったMidjourney。

生成した画像を動画に変換するAIツールなども駆使すれば、アイデアは無限大です。

「もっと他のMidjourney作品も見てみたい」という人は、MIDJOURNEY公式の画像共有サイト Midjourney Showcaseがおすすめ。世界中で生成された作品のプロンプトを調べることができます。

また、Midjourneyで生成できるデザインスタイルをサンプル付で紹介したライブラリMidlibraryは、プロンプト生成で愛用中。

Midjourneyはこれまでにも定期的にアップデートを繰り返しており、v6正式版のリリースは2024年4月ごろを予定している模様。

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どんなオドロキがこの先待っているのでしょう、随時アップデートしていきます。

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